【作品情報】
作品名:どうせ、この夏は終わる
著者:野宮 有
ページ数:344
ジャンル:エンタメ
出版社:KADOKAWA
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
青春に一生懸命度 : ★★★★★★★★☆☆
こういう人におススメ! : 青春ものが好き
人類滅亡の危機が発表されてから二年が経ち、世界はとっくに恐怖することに疲れていた。
誰もが、どうしようもない現実を忘れてダラダラと毎日を過ごしている。
そんな、人類最後の夏休み。
夢を投げ出した少年はずっと好きだった幼馴染との距離感がわからず戸惑い、スランプ中の文芸部部長は場末のゲーセンでゾンビをド派手に蹴散らす少女と出会い、やさぐれモード全開の女子高生は謎だらけの転校生を尾行し、重大な秘密を抱える少女は廃墟マニアの恋人との最後のデートに臨み、ひねくれ者の少年は女子高生監督に弱みを握られて人類最後の映画を撮る――。
どうせ終わる世界で繰り広げられる、少年少女のひと夏の物語。
巨大隕石が地球に衝突することがわかり、滅亡まであとわずかの地球上。
隕石を破壊するためのプロジェクトも進んでいるが、成功の可能性はいまのところ高くない。
人々は、そんな状況の中でそれぞれの生活をする。
今まで通りに生活する人。
やる気をなくして無気力になる人。
恐怖に震える人。
それでも時間は流れるし、夏は暑いし、夏休みもある。
その中を生きる複数の高校生達を描いた短編連作。
果たして自分がこの立場にいたらどうするでしょうね。
隕石がやってくるのは確実だけど、もしかしたら対策が間に合うかもしれない。
頑張っても無駄になるかもしれないけれど、頑張ったその先があるかもしれない。
そんな状態で人は頑張れるのか。
希望を持てるのか。
これが老人だったならもう、そこまで悩まないかもしれないですけれど。
青春真っ盛りの高校生だったらどうでしょうか。
本作でも、色々な考えや、行動を見せる男女高校生が描かれます。
まー、眩しい事(笑)
例え世界の終わりが見えていたとしても、人を好きになるし、恋は止められないし、好きなことをやることも止められない。
結局はそういうことなんですかね。
でも、秩序がまだ維持されている世界だってことが凄いかもしれないですけどね。
楽しめます。
ただ、最後に凄い何かがあるとかではないのでご注意。
世界がどうなったかとかも描かれませんよ。