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ファンタジー 書評

【ブックレビュー】本の背骨が最後に残る(著:斜線堂有紀)

更新日:

【作品情報】
 作品名:本の背骨が最後に残る
 著者:斜線堂有紀
 ページ数:280
 ジャンル:ファンタジー
 出版社:光文社

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 物語に魅入られる度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : 幻想小説、奇想小説が好きな人

■作品について

読まないほうがいい。虜になってしまうから……。
その国では、物語を語る者が「本」と呼ばれる。
一冊につき、一つの物語。ところが稀に同じ本に異同が生じる。
そこで開かれるのが市井の人々の娯楽、「版重ね」だった。
どちらかの「誤植」を見つけるために各々の正当性をぶつけ合う本と本。
互いに目を血走らせるほど必死なのはなぜか。誤植と断じられた者は「焚書」、すなわち業火に焼べられ骨しか残らないからである。
表題作の他「痛妃婚姻譚」「『金魚姫の物語』」「本は背骨が最初に形成る」など7編収録。

■良かった点

斜線堂さんはミステリー、SF、恋愛、ホラー、等々様々なジャンルの作品を書きますが。
もっともその力が発揮されるというか、魅力が押し出されるのが、幻想・奇想ともいうべくジャンルかと思います。
本作は、そんな斜線堂さんの幻想的な短編が7つ収録されており、実に魅力的な短編集に仕上がっています。

どの作品にも共通するのは、グロテスクでありながらどこか美しさを感じさせる幻想的な世界。
下手にミステリ―とか書くよりも、こういう方向性を主にした方が良いと個人的には思います。
またミステリ―とか書くにしても、本書の表題作のような、幻想ミステリーとでもいうようなものの方が良いかと。

読んでいて凄いのは、どの作品もホラーテイストでありつつ、怖さと異なるものを感じさせられるというか。
情景を思い浮かべてしまい、その情景は作品の描写通りならグロいはずなのに美しく感じてしまうというか。
世界観の作り方が絶妙に上手いのでしょうね。
こういう世界を作り上げられる書き手さんというのは貴重な気がします。

恒川光太郎さんともまた少し異なった方向性であり、魅入られますね。
斜線堂さんの作品の中ではかなり好きというか、一番好きかも。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

書いているようにグロい部分もあるので、苦手な方はご注意を。

 

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