【作品情報】
作品名:仮面の君に告ぐ
著者:横関 大
ページ数:322
ジャンル:ミステリー
出版社:講談社
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
ラストの衝撃度 : ★★★★★★★★☆☆
こういう人におススメ! : どんでん返し系が好き
涌井和沙は誰かに殺された。
ところが一年後、和沙は別の人の身体に入って意識を取り戻した。
信じられない思いを抱きながらも、婚約者であった慎介を探して辿り着くと、慎介は和沙を殺したと容疑をかけられた男を探そうとしていた。
和沙は。慎介に復讐などさせてはいけないと、乗り移った体の森千鶴の弟・潤の力を借りてどうにかしようとするのだが。
果たして犯人は誰なのか。
和沙はどうなるのか??
他人の体と入れ替わるとうか憑依というか。
それ自体は漫画や映画、小説では何度も題材になっているようなもの。
だけど本作はあくまでミステリー。
和沙を殺したのは誰なのか? そして、和沙はなぜ千鶴の身体に憑依して現世に戻り、何を求められているのか。
限られた時間の中で事件を追い、そしてどう生きようとするか悩む和沙。
横関さんの文章だから読みやすく、スピード感を持って読み進めることが出来ます。
展開が速いので、途中で、こんな速く進んで大丈夫かと心配しそうになりましたが、むしろそこからが本番というところか。
真犯人を追いかける和沙。
その途中、両親と会うシーンではほろりともさせられる。
自分は死んでしまったけれども、千鶴という別人の体で両親と会う。でも、娘だということは言えない。
なんとも切ない。
和沙が千鶴の体にいられるのは、おそらく事故で頭を打って意識を無くした千鶴が目覚めるまで。
自分はまた消えてしまうのか。それとも、千鶴に変わって残っていられないのか。
そういった葛藤もまた読んでいて辛くなるほど感じられる。
そしてラスト。
まさに衝撃というところか。
ちゃんとどんでん返しをしてくれるところが良いですね。
そして、なんというか、怖さを感じます。
むしろ、そっちが強いかも。
エンタメ系ミステリーとして、読んでも損はしないはず。
最後のどんでん返しを受けて、むしろ色々と無理があるなぁと。
途中の展開や、行動とかが、合わないところがぽろぽろ出てくる。
だから、どんでん返しだけど、ちょっと納得感が薄くなったか。
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価格:1,350円 |