【作品情報】
作品名:マツリカ・マジョルカ
著者:相沢 沙呼
ページ数:278ページ
ジャンル:ミステリー
出版社:角川書店
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
青春ミステリー度 : ★★★★★★★★☆☆
こういう人におススメ! : 学園を舞台とした日常の謎系が好きな人
高校を舞台にした、日常の謎を取り扱った短編集。
主人公は高校一年生の冴えない男子。クラスでも目立つ存在ではなく、色々とコンプレックスを持っている。そんな主人公が、マツリカという女子の『パシリ』な感じで学園の謎を解明するために奔走する。
主人公は冴えない男子高校生、探偵役は謎の美少女女子高校生(?)、この組み合わせだけで良い感じ。
なぜか廃墟で暮らし、言動もそうだが正体も謎のマツリカ。
そういったキャラクター性もあるが、文体も含めてライトノベルに近しい。即ち、作品としては読みやすい。内容も日常の謎であり殺伐としていないので、殺人とかその手のものが苦手の人でも安心して読むことが出来る。
また主人公は冴えないと記しているけれど、色々と鬱屈しているというか、うじうじしていることにはそれなりに理由もあり、苦しみや辛さを背負いながら、少しずつでも進んでいく様はまさに青春ミステリー。
マツリカが退廃的な雰囲気を醸し出す魅力、また主人公・柴山視点ではあるが年頃の男子高校生らしく、ちょっとエッチな目で見てしまう描写が多々あり、意外とエロティック(笑)
そういう妄想というか、普段はうじうじしているのにそういうことを考えてしまう柴山はなんだかおかしい。
なんだかんだでマツリカや、写真部の小西さんといった女の子と仲良くなるのはライトノベルの男子主人公らしいお約束。
短編が連なり、最後にはまた一つの謎というか、全体としての伏線が回収される仕組みもあって、そういった意味でも楽しめる。
その一方でマツリカに対する謎、続きを匂わせる「引き」は上手いというべきか、ずるいというべきか?
日常の謎とはいうけれど、謎とその謎解きは決して強いものではないので、その辺をどうとらえるか。
あとは主人公がうじうじしているのと、マツリカに対する妄想、その辺がしつこいと感じるところもある。
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価格:346円 |