【作品情報】
作品名:午前0時の身代金
著者:京橋 史織
ページ数:256
ジャンル:ミステリー
出版社:新潮社
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
物語のアイディア度 : ★★★★★★★☆☆☆
こういう人におススメ! : 読みやすいエンタメ作品を楽しみたい人
新米弁護士の小柳のもとに相談に訪れた女子学生が、その夜、突如失踪した。
翌朝、クラウドファンディングで日本中から10億円の身代金を募るという前代未聞の誘拐事件が発覚する――!
誘拐作品を描くのは難しい。
というのも、誘拐作品は身代金の受け渡しが鍵になるわけだが、その手法は過去の様々な作品で色々なアイディアが出されているから。
ここに関して、新しいアイディアを出すのは正直、難しいと思っていた。
しかし時代が変われば新たな手法も考えられるわけで、本作では身代金をクラウドファンディングで集めるという手法がとられた。
え、本当にできるの?
でも、振込口座とか分かればバレちゃうんじゃないの。
などという疑問も出るが、まずはそういう手法で身代金を受け取ろうというアイディアがね。
主人公は新米弁護士。
トラブルを抱えて助けを求めてきた女子学生が誘拐され、その身代金がクラファンで求められるというもの。
女子学生と関わり、責任も感じた弁護士の小柳は、なんとか犯人の証拠を掴めないかと動きだす。
誘拐事件の裏で動いているもの、その真相。
そういったものを追いかけて行って、やがてあかされる真実。
物語はテンポよく進み、最初からラストまで一気に読み切ることが出来る。
主人公の行動や思考にはちょっと「??」を抱かなくもない。
ちょっと主人公回りの登場人物がご都合主義に有能というのも感じる。
それでもまあ、エンタメ寄りの作品なのでそこまで気にせずに楽しめる。
ミステリ―というよりは、エンタメ寄りの2時間ドラマという感じ。
重くなく、ライトな感じなので、その辺を許容できる人に。