【作品情報】
作品名:恋と禁忌の述語論理
著者:井上 真偽
ページ数:320
ジャンル:ミステリー
出版社:講談社
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
アラサー独身美女の魅力度 : ★★★★★★★★☆☆
こういう人におススメ! : 数理論理学に興味があってもなくてもミステリー好きな人
大学生の詠彦は、アラサー独身美女である天才数理論理学者の叔母である硯の元を尋ねる。
目的は、既に解決済み事件の再検証。
過去に発生した殺人事件について、他の探偵が解いた推理を説明してその内容に穴がないか、別のロジックがあるか、事件の真相を証明してもらう。
個性豊かな探偵たちの推理に、アラサー美女が挑む連作ミステリー。
ミステリーを、ストーリーを、数式で表現する作品の登場です!
主人公は大学生の詠彦。
彼が事件の真相を得るために訪れるのが、天才数理論理学者である叔母の硯さん。
なお、硯さんはアラサー独身美女で、どうやらショタの模様。
数理論理学とは何か。
と、言われたところで私も明確に答えられませんが。
単語を聞いただけで頭が痛くなるという人もいるでしょう。
そして実際に本作を読んだら、作中にこれでもかとばかりに数式やら何やらが登場します。
1ページまるまるそういったことが書かれていることもあります。
内容についてはちゃんと説明も記載されているので、じっくり読んで考えれば理解することも出来ると思いますが、興味の無い方、拒絶反応を起こした方は無視しても問題ありません。
そこを理解しなくても、事件の証明自体は理解できる流れになっています。
硯さんが事件の真相の証明をするための背骨となっているのがこの数理論理学なのだ、ということです。
いやもうほんと、読んでいて頭痛くなりそうになります。
ので私もその辺の理解は諦めました。可能な範囲だけで。
繰り広げられるロジックは、納得できるもの。
決して突飛なトリックや推理というよりは、オーソドックスに感じました。
ただ、その見せ方や展開のさせ方がアクロバティックで斬新なもの。
そこに、キャラクターの個性がプラスされた作品。
アラサー独身美女の硯さん然り、詠彦によって語られる探偵たち然り。
詠彦と硯さんの関係も気になる所。
っていうか、硯さんはいつから詠彦のことをロックオンしていたのか。
話を聞くと小学生くらいの頃から?
それってどうなん・・・・
井上先生の別作品である、「その可能性はすでに考えた」の探偵、上苙丞とフーリンも登場するので、読んでいる人には嬉しいサプライズ。
連作でつながり最後にどんでん返し的なものもあり、楽しませてくれました。
キャラクターの作りがラノベチックなところあるので、そういうのが苦手な人は少しご注意。
これは、続編が出るんですかね?
そう思わせるような引きも。