【作品情報】
作品名:十二大戦
著者:西尾 維新
ページ数:256ページ
ジャンル:エンタメ
出版社:集英社
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
バトル戦略度 : ★★★★★★★☆☆☆
こういう人におススメ! : バトルロイヤル小説が好き
干支の名をもった十二人の戦士達。
十二年に一度開催される「十二大戦」に参加するため集まり、開始されるバトルロイヤル。
勝ち残ったものに与えられる、どんなことでもかなえられるたった一つの願いをつかみとるために。
基本的にバトルロイヤルものってのは読んでいて盛り上がりますよね。
登場する個性的な様々な人物。
強そうな者、弱そうな者、くせ者、正体不明な者、誰がどのような戦略で戦い勝とうとするのか。生き残ろうとするのか。
その過程を想像し、想像もしないような展開になってくれると更に嬉しい。
登場人物は干支の名を冠した十二人。
それぞれが各自の干支に応じた、あるいはあまり関係ない必殺技、特技を保有している。
それはバラエティに富んでおり、直接的な戦闘能力に直結するものから、探索や情報収集に適したものまでさまざま。
いかにそれを活かして戦略を立てるか。
力で劣っていても、戦略、戦術で補おうとする者。圧倒的な力で進む者。
そういった駆け引き、考えが読んでいて楽しい。
強いと思ったものが、次の章であっさりと殺されたり。
そういう展開があるのは読んでいても良い裏切りだ。
保有している能力は人間離れしているものだが、その設定をとりこんでのバトルは論理的であり、そういった意味ではリアリティがある。
チート的な能力もあるが、圧倒して終わりではなく、それぞれの能力や性格、思考、状況判断、そういったものを取り込んで、きちんと説得力を持たせた決着を付けている。
キャラクターもバラエティに富んでおり、好きになれるキャラもいるというか、意外と皆人間臭い部分が多くて楽しい。
自分の干支のキャラがお気に入りになると良いと思うが、なかなかそうもいかないかも?
ちなみに私は自分の干支のキャラが登場人物の中では一番のお気に入りだったので嬉しかった。
あと、スタイル的に改行が少ないのだが、読んでみると意外と読みづらくはない。
結構あっさりと戦いの決着が付いてしまう部分もあり、魅力的なキャラがすぐ退場とかもったいない。
とはいえ、バトルロイヤルだから仕方ないけど、もう少しゲーム性、戦略性を強くしてほしかった。
なぜこんな戦いをしているのかとか、叶えた願いが何かとか、そういうことは気にしない方が正解か。
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