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ミステリー 書評

【ブックレビュー】双頭の悪魔(著:有栖川有栖)

更新日:

【作品情報】
 作品名:双頭の悪魔
 著者:有栖川 有栖
 ページ数:412
 ジャンル:ミステリ―
 出版社:東京創元社

 おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 本格ミステリ度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : 本格ミステリー好きの人

■作品について

四国山中に孤立する芸術家の村へ行ったまま戻らないマリア。
英都大学推理研の一行は大雨のなか村への潜入を図るが、ほどなく橋が濁流に呑まれて交通が途絶。
川の両側に分断された江神・マリアと、望月・織田・アリス――双方が殺人事件に巻き込まれ、各各の真相究明が始まる。

■良かった点

江神シリーズ第三作。
舞台は四国の山中に孤立する集落と、川を一本挟んで隣にある村。
川にかかる橋が濁流にのまれててしまい、集落の方に江神とマリアが、そして村の方にはアリスたちと、分断された推理研の面々
そして、双方で発生する殺人事件。
お互いの事件は何かしら関係があるのか?
誰がどのようにして殺人を行ったのか?
その手段は、その動機は。
と、本格ミステリーらしい展開がガツンとストレートに読者にぶつけられます。
当然のようにある、「読者への挑戦状」
簡単なわけではなく、かといって解けない意地悪なものではない。
本格ミステリーはちゃんと読者に推理できるよう作るのがあるべき姿。
作者がそれをきちんと意識して、ヒントを各所にばらまいているというのが推理パートであかされる。
まあ、異論を唱えられそうな点がないわけではないけれど、そこまで気になるようなところはない。
それ言い出したら本格推理ものって結構ツッコミどころ多いのは仕方ないですしね。

クローズドサークル、芸術家の村、洞窟の中で発見する不可思議な死体。
きちんと詰め込んだ一作です。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

昔の作品なんで、スマホとか当然ない前提で読みますよ。

 

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