こんにちは、神門です。
今回は『タコピーの原罪』上巻の感想です!
作品情報
作品名 | タコピーの原罪 |
著者 | タイザン5 |
出版社 | 集英社 |
紹介対象の巻 | 上巻 |
ジャンル | サスペンス |
作品の感想
WEBで連載が開始されるなり、一気に話題になった本作。
上巻も発売されましたが、本屋さんでは結構、売り切れも出ているよう。
私はWEBでは読んでいませんでしたので、この上巻で初めて手にする形となりました。
物語としては、地球に降り立ったハッピー星人のタコピーが、自分を助けてくれたしずかちゃんに恩返しをしようと、科学技術の発達したハッピー星の道具でしずかちゃんを幸せにしようとうもの。
これだけ聞けば幸せなおとぎ話にも見えるけれど、そう簡単にいくものではない。
しずかちゃんは家庭、そして学校で問題を抱えている。
いわゆる、いじめ、毒親。
タコピーはいじめにあって傷つくしずかちゃんを助けようとしますが、なかなかうまくいかない。
むしろ状況は悪化していったり。
だけど大丈夫、時間を巻き戻す道具があるので、失敗したら戻ってやりなおし。
トライ&エラーでしずかちゃんを笑顔にするべく奮闘するものの、やっぱり事態は一向によくならない。
タコピーは純粋で無垢なため、しずかちゃんの周囲で起きているいじめであったり、親の関係であったり、そういったものがわからない。
喧嘩をしても仲直りできるよ!
このレベルでしかない。
そのタコピーの無垢さが、悲劇を加速させていく。
「タコピーの原罪」 上巻 タイザン5/集英社より 引用
更に時間を巻き戻す道具が壊れてしまい、戻れなくなる。
ループもののトライ&エラーの展開から脱し、止めることの出来ない悲劇だけが突き進んでいく。
そこに、人間の感情であったり、人間関係であったり、そういった機微を細かく理解できないタコピーが絡んでいくことで、事態はさらに面倒くさい方向に進んでいく。
果たして、しずかちゃんは、しずかちゃんに関係する周囲の人間はどうなっていくのか。
タコピーはどうなるのか。
その着地点が上巻ではまだ全然予測できない。
これは、上巻だけでは評価できないですなぁ。
「タコピーの原罪」 上巻 タイザン5/集英社より 引用
問題点としては、これは私自身がこの作品を手に取った流れがいけないのかもしれませんが。
とにかくWEB上で凄いと評価されていること。
どうやらしずかちゃんという女の子がいじめやらなんやら酷い状況にあること。
そういう情報が先にINPUTされてしまっていたこともあり、かなり高い期待値をもった状態で手にしてしまったこと。
上巻だけで評価できない状況とはいえ、そういう先入観を持って読んでしまったのがちょっとイマイチだったのかも。
どれだけ酷い状況が主人公の女のを取り巻いているのかと思っていた。
比較するのも変な話ですが、押切蓮介先生の『ミスミソウ』の方が読んでいてよっぽど辛かった・・・
とか、そういうのもあったり。
まあ、全ては下巻でどういう着地点になるかでしょうか。
そこまでは最終評価は保留だ!