【作品情報】
作品名:廃遊園地の殺人
著者:斜線堂 有紀
ページ数:360
ジャンル:ミステリー
出版社:実業之日本社
おススメ度 : ★★★★★★☆☆☆☆
設定の魅力度 : ★★★★★★★☆☆☆
こういう人におススメ! : 廃墟ミステリー好き
プレオープン中に起きた銃乱射事件のため閉園に追い込まれたテーマパーク・イリュジオンランド。
廃墟コレクターの資産家・十嶋庵(としまいおり)はかつての夢の国を二十年ぶりに解き放つ。
狭き門をくぐり抜け、廃遊園地へと招かれた廃墟マニアのコンビニ店員・眞上永太郎(まがみえいたろう)を待っていたのは、『このイリュジオンランドは、宝を見つけたものに譲る』という十嶋からの伝言だった。
それぞれに因縁を抱えた招待客たちは宝探しをはじめるが、翌朝串刺しになった血まみれの着ぐるみが見つかる。
止まらない殺人、見つからない犯人、最後に真実を見つけ出すのは……
かつて凄惨な事件が発生し、オープンすることなく廃園となった遊園地。
二十年ぶりに、廃遊園地となったその地に招かれた人々。
そこで行われる宝探し、そして殺人事件。
設定としては、かつて何が起きたのか? これから何が起きるのか? なぜ、集められたのか?
そういう魅力的なものが詰め込まれている・・・と、思う。
ミステリ―としても、サスペンスとしても、どちらでもいける素地がある。
のだが、肝心の物語進行がなんとも読んでいて興をそそられなかった。
その一つの理由に、主人公の魅力のなさがあるのではないかと思った。
主人公の眞上永太郎は廃墟マニアのコンビニ店員。
彼がなんとも覇気がなく、セリフもやたらと「・・・」ばかりが多いせいか陰鬱で、スピーディに読み進められない。
その割には微妙に頭が冴えていて。
殺人事件が発生して、積極的に事件に関わるわけでもなく、かといって積極的に警察に連絡しようとするわけでもなく。
なんとなく雰囲気に流されている感じ。
そういう主人公が全て悪いというわけではないけれど、個人的には合わなかった。
死体とかにも平然としてるし、本当にただのコンビニ店員? って。
そのためか、殺人の謎解きとか、過去に発生した事件の真相とか、なんか頭に入ってこなかった。
後だし設定はしらけるからやめた方がいい。
実はこの人は〇〇〇だった、とか、知らんがな。