【作品情報】
作品名:あのねこのまちあのねこのまち 壱
著者:紫野 一歩
ページ数:296ページ
ジャンル:ファンタジー
出版社:講談社
おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
ほのぼの度 : ★★★★★★★☆☆☆
こういう人におススメ! : 人と妖怪のボーイミーツガールとか好み
地図にあるのに辿り着くことの出来ない町。
ある日主人公はなぜか辿り着いてしまったその町。実はそこは妖怪の住む町だった。
そこで出会った相談屋の猫又少女と、ちょっと不思議な依頼を一緒に解いていく、少年と猫又のボーイミーツガール。
そんな、優しい物語。
まずはなんといってもタイトルが良いですね。響が良いし、猫だし、口に出したくなるし、どんな内容だろうと読みたい気にさせてくれるタイトル。
そして表紙のイラスト。タイトルとイラストが内容の雰囲気とマッチしていて手に取りたくなる何かがある。
人間の少年or少女が、その子だけがなぜか妖怪と知り合い絆を深めていく、というのは昔からある展開だと思うが、読み手から好まれるからこそ今も廃れずに続いている。それは、その主人公がどのように妖怪を受け入れていくのだろうかという思いと、もしも自分がその立場だったらどするだろう? そういう気持ちを抱かせて物語に引き込ませるからだろう。
本作の主人公は案外あっさりと受け入れてしまうわけだが、猫又のフミのキャラクターがあるから受け入れてしまったんだろうなぁ。
そんな二人を中心に、妖怪たちの悩みを解決していくというお話し。
ほのぼのしていた展開から、途中は意外とシリアスになり、フミの過去に踏み込んで、最後はちょっとほんわかというかじんわりというか熱い展開というかになるという、要素的には結構な盛りだくさん。
人間と妖怪の恋はどうなるのか? そんな王道的展開も今後を楽しみにさせてくれる。
脇を固める妖怪のひょっとこや小豆洗いも良い味を出しており、次巻以降ではそういったキャラクターたちについてももっと掘り下げて欲しい。
ライトノベルであるから若い人にはもちろんだけど、内容は王道のボーイミーツガールであるから、その手の作品を好んでいる方にもお薦めできる。
主人公の青年は、まあ確かにラノベ的主人公であり、自分の思いで勝手に動くところがあるとはいえ、それが若さゆえの特権であると思えば許容範囲内。
また壱ということで舞台紹介、登場人物紹介的な面も多分にあるので、前述したとおり脇役含めたキャラクター達をもっと描いて欲しいと思う。ま、それは次の巻でやってくれるでしょうけど。
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■あのねこのまちあのねこのまち 弐
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