【作品情報】
作品名:コルトM1847羽衣
著者:月村 了衛
ページ数:389ページ
ジャンル:エンタメ
出版社:文藝春秋
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
爽快度 : ★★★★★★★★☆☆
こういう人におススメ! : 女主人公の爽快な活劇ものが好き
羽衣の異名を持つ女渡世・お炎。
お炎が慕う青峰信三郎を追って佐渡に渡る。
佐渡の金山を巡る陰謀、「オドロ様」を進行する謎の邪宗。
愛する男を探し求め、6連発のコルトM1847を携えて若き女渡世人、お炎が縦横無尽に駆けまわる、幕末エンタメ活劇。
これはなんというか、設定といい、展開といい、映画向きの活劇ですな。
主人公が若くて美しい女渡世人、お炎。
そのお炎が失踪した愛する男を求めて佐渡に渡り、コルトを手にして暴れまわる。
付き従うは、佐渡で出会った軽業娘のおみんに、やくざものの玄人衆達。
佐渡の金山では謎の「オドロ様」信仰が広がっており、奉行所、宗教、そういったものの間で陰謀がめぐらされている。
周囲はすべて敵、というような状況の中で、少ない仲間達の力を借りて、多くの敵とどんぱちやり合う。
玄人衆の仲間達も、力自慢あり、暗器を使うものありと、戦い方も個性的。
スピード感溢れる展開は心地よく、一気に読みで進めていける。
前作の「残月」は一匹狼であったが、本作では仲間達の力を借りて、立ち向かう。
途中には、「ここは俺に任せて先に行け!」的な展開もあり、王道であるからこそぐっとくるし楽しめる。
実に多くの人が死にまくり、凄惨な死にざまも多くあるのだけれども、読んでいて爽快ささえ感じさせてくれる。
特に登場人物の中ではおみんが良い味を出している。
明るく無邪気、お炎のことを一途に慕う姿が、殺伐とした世界の中で清涼剤となっている。
物語のラストも爽やか。
明るく笑顔で終われるってのは良いことですね。
アクションに重きを置いている。人間ドラマや、前作のようなアウトローな感じは本作では薄い。
この辺は好みによるか。
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価格:1,500円 |