【作品情報】
作品名:探偵は友人ではない
著者:川澄 浩平
ページ数:256
ジャンル:ミステリー
出版社:東京創元社
おススメ度 : ★★★★★★☆☆☆☆
謎解き度 : ★★★★★★★☆☆☆
こういう人におススメ! : 少年少女の心の機微とか好き
海砂真史(うみすなまふみ)の幼馴染み・鳥飼歩(とりかいあゆむ)は変人ではあるけれど頭の回転が他の人とは異なる。
ずっと会っていなかったが、ふとしたことがきっかけで謎を解いてもらうことがしばしば発生するようになった。
歩の元に新たな謎を持ち込みながら、真史はふと思う。
自分たちは依頼人と探偵として繋がっているから、友人ではない。
もし、謎がなくなったら自分たちの関係はどうなるのだろうか。
ささやかな日常の謎を通し、少年少女の成長を描いたシリーズ第二弾。
中学生の少年少女を主人公に、日常の謎を解いていくミステリー短編集第二弾。
前作で、小学校入学以来会っていなかった歩と会うようになった真史。
今回もまた、日々の生活の中で発生した事件ともいえないような謎の解決を求めて歩のもとへと足を運ぶことになる。
日常の謎とはいえ、その謎はなかなか本格的。
問題が与えられ、それに対してロジックを展開させていく歩は本当に中学生?
中学生の日常を描いているわけで、どちらかといえば主は登場人物達の心の機微なのかなという感じに受け取れる。
そのために謎が与えられているというか。
多感な中学生だからこそ、色々と気になることがあったり。
友人との関係性にモヤモヤとしたり。
真史を謎に向き合わせながら、そういうところを表現している。
一方、変人と思われる歩とてそれは同様。
中学生であり、久しぶりに親交を取り戻した真史との関係をきっかけに、歩もまた少しずつ変わっていく。
過去にあったこと。
これからのこと。
ミステリーではあるけれど、謎解きよりも青春の甘酸っぱいところが好きな人とかにお薦めの作品なのかもしれない。
謎解きが煩雑になっているのですが、その謎自体にあまり魅力がないというか、ときたいと思わせてくれない。
そんなん、訊けばいいじゃん。
と思っちゃうのは歳を取ったからなのか。
謎というか、どうでもいいことのように感じてしまう。
当事者としたら気になるのか。
まあ、謎解きを目的に読むとそう感じてしまうかも。