【作品情報】
作品名:八秒で跳べ
著者:坪田 侑也
ページ数:336
ジャンル:エンタメ
出版社:文藝春秋
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
スポコン度 : ★★★☆☆☆☆☆☆☆
こういう人におススメ! : 青春ものが好き
春高バレーの予選まで、あと数日。
宮下景が所属する明鹿高校男子バレー部は、6月のインターハイ予選で初めて県の準決勝まで進んだ。
「いまのチームなら全国も目指せる」と3年生3人が引退をせず、夏に敗れた全国常連の強豪校・稲村東にレギュラーメンバーで挑むはずだった。
けれど、大会数日前、景はあることがきっかけで怪我をしてしまい……
一方、景の怪我に責任を感じていた同じ高校の真島綾は「罪滅ぼしをしたい」と景と連絡を取ることになる。
しかし彼女には、親友にしか明かしていない秘密があった-。
自分の居場所が見つけられず、前に進めずにいたふたりだったが、お互いを通じて大切なことに気付いていき-
タイトルと表紙を見て、熱血スポーツものかと思って読み始めました。
しかし、読み進めていくとどうも違う。
主人公の宮下景は高校のバレーボール部に所属する高校二年生男子。
ただ、バレーに熱血集中しているかというとそういうわけではなく、むしろ冷めたバレー部員。
大会に負けても皆のように悔しがるわけでもなく。
プレーの結果についても一喜一憂するわけでもなく。
出来ないことは出来ない、仕方ないじゃない、俺にどうしろと、そんな感じのことばかり。
そんな景が足を怪我したことで、少し変わっていく。
今まで下に見ていた補欠部員が自分の代わりに試合に出てレギュラーになり。
自分自身は復帰した後もうまくいかず。
部員とも少しぎくしゃくしたり。
そんな中、たまたま知り合って話をするようになった隣のクラスの真島綾。
漫画を描いている綾も色々と抱えているものがあったりして、綾とのやり取りをする中で気づくこともあり。
ごく普通の高校生達が、悩み、もがき、ちょっと成長して進んでいく。
そんな青春を描いた作品。
高校バレーの熱血青春スポコンもの、と思って読むと期待外れになってしまうかも。
青春ではあるけれど、普通の高校生が悩みながらバレーに向き合っていく物語です。
あと、主人公の景がどうしてもその考え方とか言動が、感情移入しずらいというか、応援しずらいキャラ。
いや、気持ちとか分からなくはないけれど、ね。