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エンタメ 書評

【ブックレビュー】風に恋う(著:額賀澪)

更新日:

【作品情報】
 作品名:風に恋う
 著者:額賀 澪
 ページ数:310
 ジャンル:エンタメ
 出版社:文藝春秋

 おススメ度 : ★★★★★★☆☆☆☆
 青春度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : 爽やかな部活系青春小説が好き

■作品について

かつては全国大会連続金賞、その象徴的存在としてマスコミにも頻繁に取り上げられた黄金時代を持つ、千間学院高等学校吹奏楽部。子供の頃に演奏会で魅了された茶園基は、千間学院に進学するも、現在の吹奏楽部にかつての栄光は見る影もなかった。
そんな吹奏楽部に、黄金時代の部長だった不破瑛太郎がコーチとして戻ってきた。
瑛太郎は再び全国大会に向かうべく、荒療治として一年生の基を部長に指名する。

吹奏楽に青春を賭ける少年少女の物語。

■良かった点

ユーフォニアムは読んだことがなく、そちらとの類似性とかは分からないので置いておきます。

吹奏楽といえば青春モノとしてはある意味鉄板です。
なんででしょうね。
主人公はサックス奏者である少年、基。
幼い頃に見た千間学院のドキュメンタリー番組を見て魅了され、吹奏楽の道に足を踏み入れる。
しかし中学では結果が出ずに燃え尽き、高校ではもう吹奏楽をやめる決意をしてしまう。
ところが、千間学院に入学すると、そこにはかつて魅了された吹奏楽部の部長だった不破がコーチとしてやってきて。
自然と基は吹奏楽部に入部して全国大会を目指すことになります。

かつて名門だった学校の吹奏楽部も、今や落ちぶれたというか、楽しく演奏できれば良いというような緩い部活に。
全国大会を目標と掲げてはいるものの、本気で目指しているようにも見えない。
そんな部活を再生し、大きな目標に向かわせていくというのは、よくある構図。

一年生の基を部長にするという荒療治、大会の出場者はオーディション制で決めることにしてやる気を高め、生徒達の熱をあげていく瑛太郎。
緩かった部活に熱が戻り始め、部員同士での争いや向上心の復活、奇をてらった展開はないものの、王道だから安心して読める。

爽やかな熱血青春モノを読みたいなら、お薦めできる。

 

■ここが改善できるともっとよかったかも?

安心して読める青春小説、なんだけどそれ以上でもそれ以下でもない感じがするかなー。
登場人物達が全員モブみたいで印象に残らずイメージもわかないというか。
堂林とかもっとうまく使えば面白いキャラになりそうなのに、ほぼ空気。

 

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