【作品情報】
作品名:パディントン発4時50分
著者:アガサ・クリスティー
ページ数:421
ジャンル:ミステリ―
出版社:早川書房
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
インパクト度 : ★★★★★★★★☆☆
こういう人におススメ! : 古典ミステリーを楽しみたい人
ロンドン発の列車の座席でふと目をさましたミセス・マギリカディは窓から見えた風景に、あっと驚いた。
並んで走る別の列車の中で、まさに背中を見せた男が女を締め殺すところだったのだ……
鉄道当局も警察も本気にしなかったが、ミス・マープルだけは別だった!
物語というか事件の始まりの見せ方が上手いですよね。
ある老婦人が、自分が乗っている列車と並走している隣の列車で男が女を絞め殺しているところを目撃。
そのことを駅員に伝えるも信じてくれず、実際に死体もどこからも出てこない。
これはどういうこと・・・?
ミス・マープルはその老婦人の友人であり、マープルだけが話を信じて推理を進めていく。
実際に列車に乗ってみて、どういうことが起きたのかを想像する。
そして、それを確認するために行動する。
実際には、マープルとは別の女性に依頼して、とある家に家政婦として入ってもらって調べていくのですが。
推理そのものというよりも、家政婦のルーシーがいかにして家の事情を探っていくか。
関係者の人間関係や思惑。
そこからどういう事件の裏があるのかを想像していくのが楽しい作品かも。
でもやっぱ、導入の見せ方の上手さだよなぁ。
そういう、人を惹きつけるうまさってのがクリスティーの作品にはありますよね。
推理としては弱いというか。
なぜ、あの人が犯人なのか論理的な説明はなされていないような?
そこが作品としては弱点かな。