【作品情報】
作品名:ただいま神様当番
著者:青山美智子
ページ数:304
ジャンル:エンタメ
出版社:宝島社
おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
素直になれそう度 : ★★★★★★★☆☆☆
読んで気持ちが温かくなれる作品を望んでいる人
ある朝、目を覚ますと腕に大きく「神様当番」という文字が!
突如目の前に現れた「神様」のお願いを叶えないと、その文字は消えないようで…?
「お当番さん、わしを楽しませて」幸せになる順番を待つのに疲れたOL、理解不能な弟にうんざりしている小学生の女の子、SNSでつながった女子にリア充と思われたい男子高校生、学生の乱れた日本語に悩まされる外国人教師、部下が気に入らないワンマン社長。
小さな不満をやり過ごしていた彼らに起こった、わがままな神様の奇跡は、むちゃぶりなお願いから始まって―。
ムフフと笑ってほろりと泣けて、最後は前向きな気持ちになれる。
5つのあたたかい物語。
青山さんらしい作品。
第一声にそれがいえる。
読んでいる時も、読み終えたあとも、心がほっこりと温かくなるような作品なのです。
物語は、5人を主人公にして話が進んでいく短編連作。
その5人というのが、毎朝同じ時間に同じバス停でバスを待つ5人。
そしてその5人に順々に「神様当番」がやってくる・・・!?
その神様というのがジャージを着た小さなおじいちゃん。
しかも、皆の願いを叶えてくれるわけではなく、神様の方がむちゃなお願いをしてきて、当番になった人は神様の願いを叶えないといけない?
だけど、その5人に神様が叶えてほしい願いとは、5人がそれぞれ叶えてほしいことでもあって。
5人はそれぞれ悩みを抱えている。
その悩みというのは、外から見たらものすごく大きいというものではないかもしれない。
でも、本人にとっては大きなことであるし、そう簡単にどうこうできなかったから今も悩んでいる。
神様の我儘、お願いとみせかけて、それは本人がどうにかしてほしいこと。
プライド、見栄、考え方。
そういったものが邪魔してなかなかうまく動くことが出来ない人たちを、神様がちょっとした悪戯、お節介をすることで一歩を踏み出す。
きっかけは、ちょっと勇気を出すこと。
見方を変えること。
素直になること。
それが本人には難しいので、神様を介して人生を動かしていく。
読むと、5人の悩みはもしかしたら身近に感じられるようなことかもしれない。
同じように思う人もいるでしょう。
同じじゃなくても、似たような感覚、思いを抱く人は多くいると思います。
そういった沢山の人に贈る物語。
人生は、ちょっとしか見方や、物事への接し方で、全然かわるものなんだよ、っていう。
優しい気持ちになれます。
特にないかな。
青山さんの作品はこういう作品ですからね!