【作品情報】
作品名:後宮の烏 4
著者:白川 紺子
ページ数:304
ジャンル:ファンタジー
出版社:集英社
おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
物語の秘密に迫る度 : ★★★★★★★☆☆☆
こういう人におススメ! : 切なく美しいファンタジーが好き
夜明宮、寿雪のもとには助けを求めるものが絶えることなくやってくる。
泊鶴宮の蚕室で、大切な繭がなくなったという宮女。
花娘を通じ城内での謎多き失せ物探し。
そうした幾つもの事柄を通し、烏妃を頼り、信奉する者も増えていく。
それは新たな火種のもとともなる。
そうした中、寿雪と高峻はまた一歩、歴史の真実へと足を踏み込んでいく。
中華幻想譚、第4弾。
中華幻想譚も4巻に入りました。
この前の3ではちょっと大きな対決的なものがあったせいかもしれませんが、今巻は少しおとなしめ。
どちらかというと、次の巻への繋ぎの巻、という感じに受けました。
だからといって面白さが失われているわけではありません。
むしろ、静かに進んでいく中で物語の真相に繋がることが少しずつ明確になっていきます。
それはもちろん、烏漣娘娘の秘密。
寿雪を縛り付けている烏漣娘娘。
そして、鍵を握る龜の神について。
この二神についての歴史がまた一つ、紐解かれます。
また人間関係というか、王宮内における力関係やバランスというものの変化も描かれている。
今までの巻で色々な人と関わり、色々な困りごとを解決してきた寿雪。
謎に閉ざされていた烏妃という存在が少しずつ知られることにより、烏妃を信奉する者も増えてくる。
しかしそれは、烏妃の力が増大するということでもある。
今はまだ大きな力でなくとも、他の妃、さらには王すらも脅かす存在となるかもしれない。
烏妃の力にはそれだけのものがあるということを寿雪は自覚するとともに、なぜ一人でいなければならないのかも改めて理解をする。
でも、理解することと、それを納得して受け入れることはまた異なります。
既に身内となっている九九や温螢、淡海を今さら離すことなど出来ない。
また困って助けを求めるものを冷たく拒絶するのも心が痛む。
でも、派手に動くわけにはいかない。
優しい寿雪は困惑する。
烏妃を巡って諍いが起きる後宮。
それでも高峻は寿雪を解放しようという思いを変えること無く、解決に向けてまた一歩を踏み出そうとする。
烏漣娘娘を、そして寿雪を縛り付ける、呪い。
果たしてそれは綺麗に解けるものなのか。
また次巻が早く読みたくなるのである。
九九の活躍が少ない(笑)!