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【ブックレビュー】怪盗インビジブル(著:行成薫)

更新日:

【作品情報】
 作品名:怪盗インビジブル
 著者:行成薫
 ページ数:239
 ジャンル:エンタメ、ミステリ―
 出版社:講談社

 おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 大事なものに気づかせてくれる度 : ★★★★★★☆☆☆☆
 こういう人におススメ! : 手軽に読みたい

■作品について

とある地方の公立中学校、通称「北中」では、生徒たちの持ち物の紛失が相次ぎ、現場には決まってネコが描かれた黄色い付箋が残されていた。
「あいつに盗まれたんじゃないの?」
まことしやかに噂される犯人の名前。
それは、古くから伝わる学校の七不思議のひとつ――人が一番大事にしているものを盗んでいくという怪盗インビジブルだった。
一方その裏側で、標的にされた生徒たちには、それぞれ思いがけない変化が訪れて――。

■良かった点

中学校を舞台にした、ちょっとしたミステリー。
北中では以前より学園七不思議のような不思議な話がある。
「怪盗インビジブル」
人が一番大事にしているものを盗んでいき、盗んだあとには特徴的な付箋が残されているという。

本作では、そんな怪盗インビジブルによって何かを盗まれた人たちの話が描かれている。
大事なものが盗まれればショックもあろうが、その盗みが被害者たちに思いがけない変化を起こさせる。
変化というか、気づき、か。
大事なものを盗まれたことにより、それがなくなってどうしようかと考えて行動したり。
自分自身の行動を省みたり。
周囲との関係性を考えてみたり。
大事なことがなくなったことで、一度、立ち止まらざるを得なくなる、とでもいおうか。
立ち止まって周囲を見てみるとまた新たに分かることもあったりして。

そうした短篇の最後にはエピソード0とでもいうべき、怪盗インビジブル誕生の話。
それが、他の短編にも繋がってきたりして。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

3つめのエピソードまでは良い感じなんだけど。
4つめのエピソードで急に重くなるというか、この話は必要あったのか、と思わせる。
まあ、世のなかうまいことばかりじゃないのかもしれんけれど、この作品で必要あったかな。

 

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