【作品情報】
作品名:読書嫌いのための図書室案内
著者:青谷 真未
ページ数:304
ジャンル:ミステリー
出版社:早川書房
おススメ度 : ★★★★★★☆☆☆☆
読書嫌いの人へのお薦め度 : ★★★★★☆☆☆☆☆
こういう人におススメ! :どちらかといえば本好きの人にお薦めかと思うが
本を読むことが苦手な荒坂。
楽そうだということで選んだ図書委員で、図書新聞を作る役割を担うことになってしまった。
同じく図書新聞を作るのは、読書好きの少女、藤生。
廃刊になって久しい図書新聞のコンテンツである読書感想を収集する中で分かっていく、意外な事実とは?
読書嫌いの男子高校生が、図書委員に。
相方の少女は昔ながらの本好き少女といった感じの藤生。
図書新聞を発行するために、二人は学校の生徒や教師から本の読書感想を集めることになる。
その読書感想を集める過程で知る、彼らの意外な思いや真実。
題材に上がるのは、
- 舞姫(森鴎外)
- 少年の日の思い出(ヘルマン・ヘッセ)
- 赤い繭(安部公房)
教科書にも載るような有名な作品ばかり。
それらの感想を、登場人物達が語ったりするわけだが、読む人によって視点、感じ方が全く異なる。
そして、それこそが読書の楽しさの一つでもある。
そうなんですよね、読書は本を読んでインプットするだけでも勿論楽しいですが、アウトプットすることでより楽しくなると思います。
自分が「滅茶苦茶面白い! 超おすすめ!」と思っても、他の人にとってはそれほどでもなかったり。
逆に、「イマイチだったな」と思っていたら、他の人は「凄く良かった!」とか。
年齢、性別、性格、趣味嗜好、そういったものによってとらえ方が全く異なるのは私も経験したことがあります。
へー、そんな風に感じるんだ。
そう思うことが何度あったか。
主人公の荒坂も、読書は苦手でも読書感想は面白いと感じるようになり、それは頷けるものでした。
私がこうしてブックレビューを出しているのも、読んでいる人によっては全く受け取り方が違ったりするのでしょうね。
でも、それが楽しい。
そういうことだけでも伝わればなと思います。
もちろん、その解釈は強引じゃない? と思うのもまた人それぞれ。
タイトル「読書嫌いのための」の通りの本かどうかは別として。
改めて、本って、読書って面白いよね、と認識させてくれたのはちょっと嬉しかったり。
うーん。
ミステリーとしても青春ものとしても中途半端な感じが否めない。
どちらにしても、「おお」と思うようなところがないんですよね。
あと、主人公の能力。
伏線ははられていましたけれど、こういうのが出ちゃうと逆にちょっと白けてしまうのは私だけ?