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ミステリー 書評

【ブックレビュー】神のダイスを見上げて(著:知念実希人)

更新日:

【作品情報】
 作品名:神のダイスを見上げて
 著者:知念実希人
 ページ数:344
 ジャンル:ミステリー
 出版社:光文社

 おススメ度 : ★★★★★☆☆☆☆☆
 犯人の意外性度 : ★★★★★★★☆☆☆
 こういう人におススメ! : 気軽に本を読みたい

 

■作品について

小惑星ダイスが地球に向かって接近している。
衝突するか衝突しないか分からない状況で人類はパニックに陥っていた。
そんなとき、高校生漆原亮の姉の死体が見つかった。
最愛の姉を殺された亮は、ダイスが衝突する前に犯人を見つけ出して自ら殺すと決意する。

■良かった点

犯人を捜すために亮が頼るのがクラスの“禁忌”と呼ばれる異端児・四元美咲。
この四元がなかなか良い味を出している。
特異な家庭環境で育ったことで、クラスからはみ出している。
亮も、こんな異常な状態となったことで初めて四元とまともに顔を合わせ接することになるのだが、二人の距離感が変わっていくのが良い感じ。
男女として、恋愛としてということではない。
二人ともある意味ちょっと特殊な家庭環境を持つ者同士。
それが、地球が滅びるかもしれず、そんな中で発生した殺人事件という異常な状況下で触れ合い、変わっていく。

ダイス衝突が迫る中、殺人事件を巡って警察、カルト教団なども絡んで、本当に誰が犯人なのか混迷を増してくる。
しかし、ミステリーとしてというよりは、やっぱり青春モノとして見た方がよいかな?

読みやすい筆致で、一気に読み切ることが出来る作品。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

うーん。
正直な所をいえば知念さんの他の作品と比してイマイチのめりこめず。
ダイスが衝突するかどうかもわからないって、直前になってもそんな分からんの?
あとは登場人物がおしなべてあまり好意を持てないというか・・・・
主人公が男子高校生だし、行動や思考も仕方ないっちゃ仕方ないかもしれませんが。
犯人も、まあ、分かる人は分かると思います。

 

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