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ミステリー 書評

【ブックレビュー】能面検事(著:中山七里)

更新日:

【作品情報】
 作品名:能面検事
 著者:中山七里
 ページ数:292
 ジャンル:ミステリー
 出版社:光文社

 おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 新たなヒーロー誕生度 : ★★★★★★★☆☆☆
 こういう人におススメ! : 検事の仕事に興味あり

■作品について

大阪地検に配属となった新米検察事務官の惣領美晴。
美晴が事務官として付いたのは、一級検事の不破俊太郎。
どんな圧力にも流されず、一ミリも表情筋を動かすことのない不破は、陰で能面と呼ばれている。
自らの流儀に則って調べを進めるなかで、短刀事件の容疑者のアリバイは証明され、さらには捜査資料の一部が紛失していることが発覚。
事態は大阪府警全体を揺るがす一大スキャンダルへと発展していく。

■良かった点

誰が相手でも、どんな状況でも、決して揺るがず自分の流儀を曲げない。
だけに留まらず、表情も一切変えずに相手を追い詰めていく。
こんな人に相対することになったら、耐えきれなくなってなんでも言ってしまいそうですね。

それに対して事務官の美晴は感情的で直情的。
冷静沈着、どころか感情がないのでは? とさえ思える不破とは対照的。
そんな二人が果たしてうまくやっていけるのか?
対照的な二人をコンビにするというのはよくある手法。
とはいえ、物語を読み進めていけば行くほど、美晴の存在価値があるのかという疑問がどうしても湧いてしまうが。
まあ、不破を語り手にはできないでしょうから仕方ないところですが。
新人の事務官で、右も左もわからないであろう美晴が、エースともいえる不破にあそこまで言うことが出来るのだろうか。
まー、そういうキャラじゃないとやっていけないのか。

物語は、あるストーカー事件を追いかけていたら、その事件だけに留まらない事態へと発展していく。
果たして誰が、何の目的をもって、この事件を動かしていくのか。
そういうのを機械のように追いかけていく不破。
敵にしたらこんな恐ろしい男はいないのではないでしょうか。

組織を大事にして、仲間意識があって、悪いことをしようとしているわけじゃないという大阪府警。
だけど、そういうことじゃない。
発生したことは事実として、それに対してどう向き合うかが大事。
ここまでスキャンダルなことではなくても、仕事でまずいことが起きる、失敗が発生すると、どうにか隠したいと思う。
いや、隠すというよりは、こういう理由だったから仕方ないんだ、と何かしら言い訳をして思考停止してしまう。
実にありそうなことです。

恐くてそこに切り込めない人が多い中、不破の行動は凄まじい。
次の事件とか読んでみたいし、他シリーズの御子柴弁護士との対決とかあったら、果たしてどうなるのか面白そう。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

まー、読むほどに美晴がね。。。
新人だから致し方ないのかもしれませんが、もうちょっと描きようがあったのでは、と思わなくない。

 

 

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