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エンタメ 書評

【ブックレビュー】失恋の準備をお願いします(著:浅倉秋成)

更新日:

【作品情報】
 作品名:失恋の準備をお願いします
 著者:浅倉 秋成
 ページ数:320
 ジャンル:エンタメ
 出版社:講談社

 おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 伏線回収度 : ★★★★★★★☆☆☆
 こういう人におススメ! : 最後に繋がる連作短編とか好き

■作品について

とある街で繰り広げられる、複数の恋模様。
「あなたとはお付き合いできません―わたし実は、魔法使いだから」告白を断るため、魔法使いだと嘘をついてしまった女子高生。
別れ話になってこじれている恋人同士。
謎のフェロモンで周囲の女性がモテモテになってしまう男子。

様々な物語は絡み合い、やがて一つに収束する!?

■良かった点

全部で6つの短編で織り成されている。
5つの短編でそれぞれ別の男女の人間関係が描かれたうえで、最後の6つめの短編で全てが一つに収着する。
伏線を張り巡らせそれを着地させる、この手の作品を得意とする浅倉先生らしい作品となっている。

展開されるのは男女の間の恋物語。
だけど、そこにはドロドロとした現実的なものはなく、あくまでコメディタッチでエンタメに振り切ったモノ。
だから、恋愛モノと考えて読まなくて大丈夫。

気になる男性から告白されたけれど、大学進学を機に遠距離恋愛になってしまうから断ろうとする女子高校生。
その断る理由がよりによって「魔法使いだから」とか。

謎の博士が開発した、”嘘を見破るロボット”を活用し、難事件を解決したいと考える男子高校生。
彼が直面した事件は、別れ話で揉めているカップル。
浮気をした? しない?
嘘をついているのはどっち?

男子転校生がやってきた。
転向初日から女子にモテモテで、次々と美少女達から告白されるも全て断るという強者。
そんな中、一人だけその男子に魅力を感じない女子がいて、彼女はその男子から相談される。
どうすればモテなくなるのだろうか、と。

こんな感じで複数の物語が展開し、その物語は短編の中で一応の解決をみせるが。
最後の6つめでまた違った展開を見せる。
それぞれの物語がちょっとずつ関連し合うのは、読んでいけばわかること。
最後に一気にまた違った展開、結末になるのが面白い。

スラップスティックコメディとでもいおうか。

こういう作者のセンスは好きです。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

圧倒的な爆発力まではいかないかな。
充分に楽しめるんだけど、★8まであとちょい、みたいな。

 

 

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