【作品情報】
作品名:ミスコン女王が殺された
著者:ジャナ・デリオン介
ページ数:325ページ
ジャンル:ミステリー
出版社: 東京創元社
おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
フォーチュンの不運度 : ★★★★★★★★☆☆
こういう人におススメ! : ドタバタコメディが好き
身を隠すため田舎町にやってきたCIAの秘密工作員、フォーチュン。
しかしやってくるやいなやトラブル、殺人事件に巻き込まれてしまった。その事件も解決し、今度こそ静かに暮らそうとするフォーチュンだったが、ミスコン女王のパンジーが町に戻ってきたことで衝突してしまう。
そのパンジーが翌日殺され、殺人嫌疑をかけられるフォーチュン。
疑いを晴らすため、フォーチュンと婦人会コンビのおばあちゃんズがまたしても大騒動を巻き起こす!
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前作、「ワニの街へ来たスパイ」の事件のなんと翌日の話である。
なんとも忙しないというか、どこまでもフォーチュンはトラブル体質なのであろう。
シリーズものではあるので、当然ながら前作を読んでおいた方が入りやすいが、事件としては1巻で完結しているし、前作でのこともそれとなく説明してくれているので、本作から入っていっても問題はない。
とはいえ、前作のネタバレも含まれているので、やはり前作に目を通してからをおススメする。
今回はタイトル通り、ミスコンに絡む話だが別に実際にミスコンが開催されるわけではない。
ハリウッドに行っていたミスコン女王のパンジーが戻ってきて、元ミスコン女王という触れ込みでいるフォーチュンといきなり大衝突。しかもその翌日に殺されてしまうもんだから、容疑は当然のようにフォーチュンに。
あらぬ疑いを晴らすため、フォーチュン、そして地元婦人会の老婦人コンビは真犯人探しに乗り出す。
しかしながら、それがもしっちゃかめっちゃかである。
フォーチュンはどこまで騒動に巻き込まれるというか、巻き起こすというか。
CIAの腕利きとはいえ、田舎町で普通の女の子を演じることはできない。むしろ、お洒落もテレビドラマも何も知らないわけで、一般人に偽装するには全く向いていないわけだ。
一般常識が通用しないフォーチュンの行動は呆れるものでもあり、笑わされるものでもある。
これで腕利きCIA秘密工作員とはとても思えない!
スラップスティックなどたばた推理活劇。
ノワールでもハードボイルドでもないけれど、色んな要素が詰まっているように感じさせられる。
登場人物たちの粋なやりとり、それ故に魅力的なキャラクター群。
そんな中で、フォーチュンと地元保安官カーターのロマンスも感じさせるなど、数多の要素がこれでもかと盛り込まれている。
事件は解決したけれど、これはまたすぐに次の事件が起きそうです。
果たしてフォーチュンに平穏な日々は訪れるのか?
それは次回作以降のお楽しみということで。
ミステリー、推理要素はおまけです。
本作はそれを楽しむ作品ではないと思うのであしからず。
価格:1,000円 |