【作品情報】
作品名:赤い博物館
著者:大山誠一郎
ページ数:267
ジャンル:ミステリー
出版社:文藝春秋
おススメ度 : ★★★★★★☆☆☆☆
事件の顛末に納得できる度 : ★★★★★★★☆☆☆
こういう人におススメ! : 一風変わった本格ミステリを好む
キャリアながら《警視庁付属犯罪資料館》の館長に甘んじる謎多き美女と、一刻も早く汚名を返上し捜査一課に戻りたい巡査部長。
図らずも「迷宮入り、絶対阻止」に向けて共闘することになった二人が挑む難事件とは――。
捜査一課の刑事だった寺田だが、一回のミスで「警視庁付属犯罪資料館」に左遷されてしまう。
「警視庁付属犯罪資料館」とは、過去の事件の遺留品や証拠品や捜査資料が収められているところ。
ここで、来る日も来る日も資料整理に追われる寺田。
しかしキャリア採用ながら、この資料館の館長である緋色は、過去の未解決事件を改めて再捜査し解決に導くことがあるという。
寺田は、緋色の指示のもとに過去の事件を再び洗い流していく。
現在進行形の事件ではなく、過去の事件について資料をもとに不可解な点などとみつけ洗い直し、その真実を見つけていくという珍しいタイプのミステリー。
中には過去の事件を追いかけた5本の短編が収録されている。
それぞれ、ちょっとした齟齬であったり、気になる点から緋色が事件の裏にある真実を明かしていくわけだが。
当然、真実は明らかにされるべきなのだが、なんとも微妙なところ。
よくそんなところに気が付いたなというところもあれば、その論理は無理がるだろう、的なところとか。
犯人側の、犯罪に至った心理とか。
トリックとか、そういうのありきであわせにいったように感じてしまう。
本格物はトリックありきで、動機や心理とかは後追い的なところが多々あるのは理解しつつ。
もう少し納得させてほしかったなぁ。
試みとか、キャラとかは、この先も期待できそうな設定なのですが。
なんというか。
結構、無理がある気がするなー。
と、思ったのが最初の感想。
特に最後の「死に至る問い」は、そんなんあるかー!?
と思った。