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エンタメ

【ブックレビュー】ママ友と育てるラブコメ(2)(著:緒二葉)

更新日:

【作品情報】
 作品名:ママ友と育てるラブコメ(2)
 著者:緒二葉
 ページ数:295
 ジャンル:エンタメ
 出版社:小学館

 おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 ママさんしている度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : ちょっと変わったラブコメを楽しみたい

■作品について

幼稚園では、保護者参加型の行事が定期的に行われる。
親子遠足もその一つだ。
両親の代わりにそれぞれ参加した響汰、澄は、子供たちとともに楽しいひとときを過ごす。
一見喜んでいるように見える想夜歌だが、響汰は知っていた。
大好きな母親と一緒に参加出来ず、とても寂しがっていることを。
そんななか、間近に迫った想夜歌のお誕生日会。
響汰は母親に参加するよう声を掛けるも、「仕事があるから」と一蹴されてしまう。
想夜歌のために、何か出来ないかと悩む響汰。
澄にも背中を押され、ある一手を打つ。

■良かった点

子育てラブコメの2巻です。
1巻を読んだ時、なかなかに楽しめたものの、この設定で2巻以降はどうつなげていくのだろうか? という疑問がわいたのも事実。
同じことを繰り返しつつ、主人公とヒロインの仲を近づけていくというのもアリっちゃあアリだが、マンネリになる。
そこで今回は、主人公の家族関係を深堀りしてきた。
1巻ではヒロインである澄の問題に迫ったから、今回は主人公側ですね。

響汰が抱える母親への思い。
解決とまではいかないけれど、多少なりとも響汰の心の問題を軽くすることは出来たのではないか。
妹、想夜歌に捧げる愛情は本物だけど、母親になれるわけではない。
小さな子供が、母親に甘えたくないわけがない。
それでも我慢する想夜歌を見て、自分では母親に代わることはできないと分かっていながら全力で想夜歌を悲しませないようにするのは、凄い。
育ってきた事情があり、だからこそ想夜歌に全振りできるのだけれど、高校生男子がその他の楽しみを全て後にして妹だけにってね。
まあ、それくらいしないと物語としては、ってのはあるでしょうけれど。

母親との関係を描く中で、幼稚園のイベントにおける問題なんかもちょっといれてね。
イベントには当然、母親を中心としての両親参加になるけれど、その親が参加できずに兄と姉が参加しているのは異質なわけで。
そういう立ち位置的なものもちょっと示したりして。
響汰と澄が必然的に距離が近くなるのを描いている。

家族の話は決して珍しい展開ではないけれど、それだけに読んでいての安心感みたいなものはある。
むしろ年を取ってくると、こういう家族の話には弱くなる。
想夜歌も、幼いけれど、いや幼いからこそ兄のことも分かっている。
そういう姿も良かった。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

ラブコメが始まらない!?
今のところ完全にママ友であるけれど、ちょっとだけラブの匂いが出てきました。
ここからどうなるのかな??

 

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