【作品情報】
作品名:時空犯
著者:潮谷験
ページ数:322
ジャンル:SF、ミステリ―
出版社:講談社
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
タイムリープの有効活用度 : ★★★★★★★☆☆☆
こういう人におススメ! : 特殊設定ミステリーが好き
私立探偵、姫崎智弘の元に、報酬一千万円という破格の依頼が舞い込んだ。
依頼主は情報工学の権威、北神伊織博士。
なんと依頼日である今日、2018年6月1日は、すでに千回近くも巻き戻されているという。
原因を突き止めるため、姫崎を含めたメンバーは、巻き戻しを認識することができるという薬剤を口にする。
再び6月1日が訪れた直後、博士が他殺死体で発見された……。
タイムリープものでありミステリ―。
タイムリープによりずっと6月1日を繰り返しているという情報工学の権威、北神博士によって集められたメンバー。
彼らもまたタイムリープに巻き込むことにより、そのタイムリープの原因を突き止めてタイムリープから抜け出ようという企み。
ところがそのメンバーを含めてタイムリープをしたら北神博士が他殺死体で発見される。
何がどうして過去が変わったのか。
タイムリープしたメンバーの中に犯人がいるのか。
そもそもタイムリープの原因は何か。
そういったところを解き明かしていく物語。
タイムリープする人数を定めることで、そのメンバーだけを嵐の山荘の状態にしている感じ。
SF設定ではあるけれど、ミステリーの方が強いかな。
その辺はうまいこと設定をつくり、物語を展開させているなと思わせてくれる。
タイムリープするので、殺されたけれど次のタイムリープでは復活して殺されないように行動を心掛ける。
そして、殺される前にどういうことがあったのか情報を引き出し、誰が犯人なのか、犯人はどういう行動をとったのか推測する。
でも、犯人もタイムリープする9人の中にいたら、それを逆手に対策をとるかもしれない。
そもそも、タイムリープするのに殺人を行う意味はどこにあるのか。
諸々のことを考えさせられながら読み進めていき、辿り着く真実。
特殊設定ミステリーということでは、色々と考えられた一作だと感じた。
序盤はその特殊な設定で楽しめたんだけど。
後半は個人の好みにイマイチあわなかったのか、ちょっと流し読みになっちゃったな・・・