【作品情報】
作品名:正義の段階 ヤメ検弁護士・一坊寺陽子
著者:田村 和大
ページ数:336
ジャンル:ミステリー
出版社:双葉社
おススメ度 : ★★★★★★☆☆☆☆
リーガルミステリー度 : ★★★★★★☆☆☆☆
こういう人におススメ! : 弁護士系の作品が好き
ヤメ検弁護士の一坊寺陽子のもとに、同期で同じ福岡で開業している桐生晴仁から依頼が届く。
それは桐生が起こされた懲戒請求の代理人だった。
「桐生晴仁が佐藤昇を殺した」。
懲戒請求の理由に書かれていた人物は桐生の従兄弟で16年前、両親を殺害した罪で収監されている人物だった。
陽子は依頼を引き受けるが・・・・・・。
ヤメ検弁護士の一坊寺陽子を主人公とした一作。
弁護士を主人公としているけれど、法廷を舞台としたリーガルミステリーではなく、弁護士のもとに届けられた事件を追いかけるもの。
その事件とは、同期の弁護士、桐生からの依頼。
桐生に対して懲戒請求が出されたが、提出してきたのは明らかに偽名で誰だかもわからない。
しかもその理由が、桐生がかつて殺人を犯していたというもの。
そしてその殺した相手というのが、現在、両親殺害の罪で収監されている人物だという。
何が何だかわからない状況を、その依頼者は誰なのか、過去の事件の事実は何か、というところを追いかけていく。
現在と過去が絡み合い、追いかけて明らかにされる真実はなかなかに意外なもの。
強引と言えば強引かもしれないが、ラストは思いがけない展開に。
主人公も、女生とはいえなかなかパワフルに事件を追いかけていく。
弁護士同士が絡んだり、弁護士の業務についても描かれていたり、その辺は作者さん自身が弁護士ということもありさすが。
魅力的な事件を提供して読ませていく作品。
うーん。
主人公が合わなかった。
事件解決のためお手伝いを依頼している年上の相手に対する言葉遣いとか態度とか。
同棲しているダメンズもダメ男かもしれないが、そいつに対して「役立たず!」とか、何様か。
自分たちの卒業した学校の卒業アルバムが入手できないことに対する一言なのだが、それ自分自身に跳ね返る言葉では?