「 乃梨子 」 一覧

～　めざめの予感　～   　静かな放課後の美術室内。 　柔らかな夕日の光が窓から室内に入り込み、淡いオレンジと薄いブラックのコントラストを浮き上がらせている。 　室内に置かれているイーゼル、 ...

　「ぱられる５　　だけど、止められない」　   　一学期の中間テストも無事に終了し、結果が生徒達に公表されている。とはいっても、公になるのは各学年上位五十名までで、それ以下の生徒については個 ...

～　つかんで離さない　～   　梅雨に入り、雨の日が続いていた。今日もまた窓の外は暗い空に重い雨。高知日出実は自席で頬杖をつき、ある一点を眺めていた。 　その視線の先にいる人物は、二条乃梨子 ...

～　いたずらな雨　～ ＜おまけ＞   「お帰り祐麒、って、あれ？」 　帰宅した祐麒を見て、祐巳が驚いたように目を丸くした。 　本当は見られる前にこっそり洗面室に行こうとしたのだが、それはかな ...

～　いたずらな雨　～   　休日、祐麒はちょっと駅の方に出かけていた。特別に用事があったわけではない。ただ、家にいてもすることがなかったから。駅まで出れば、本屋で適当に雑誌の新刊を立ち読みし ...

　「ぱられる４　　煌めく時に捕われた？」　 　ＧＷも終わり、一年で最初の中間テストの背中が見え始めた頃。だが生徒達は、先のテストのことよりも、目の前の小さな幸せを手に入れることを優先してしまいがちだ。 ...

～　繋がれたその手　～ 　二年生に進級するとクラス替えがあった。残念なことに瞳子、可南子とは別のクラスになってしまったが、あの二人は二人で同じクラスになれたという喜びが、隠そうとしても隠し切れずに滲み ...

～　ぱられる！　～   　「ぱられる２　　あの素晴らしいお約束を二度三度」　 　心地よいまどろみの中、祐麒は二度寝を堪能していた。すでに、けたたましく鳴る目覚まし時計の活動は停止している。「 ...

～　二条乃梨子は眠れない　～ 　それは、中学時代の友人と久しぶりに会っているときのことだった。 　場所は、駅前のファーストフード。リリアン女学園に通っているといっても、乃梨子はまったくの庶民、友達とお ...

～　繋がれたその手　～ 　二年生に進級するとクラス替えがあった。残念なことに瞳子、可南子とは別のクラスになってしまったが、あの二人は二人で同じクラスになれたという喜びが、隠そうとしても隠し切れずに滲み ...