【作品情報】
作品名:私雨邸の殺人に関する各人の視点
著者:渡辺 優
ページ数:296
ジャンル:ミステリ―
出版社:双葉社
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
推理を楽しめる度 : ★★★★★★☆☆☆☆
こういう人におススメ! : ミステリ―というよりミステリー風ドラマが好きな人
嵐の私雨邸に取り残された11人の男女。
資産家のオーナーは密室で刺殺され、世にも珍しい〈探偵不在〉のクローズド・サークルが始まる。
館に集ったのは怪しい人物ばかり。
いったい誰が犯人を当てるのか。
各人の視点からなされる推理の先に、思わぬ悲劇が待っている。
嵐の山荘のクローズドサークルもの。
資産家のオーナーが暮らす私雨邸に集まったのは、オーナーの家族や雇い人に加えて想定外集まった人も含めて11人。
その中で行われた殺人、そして犯人探し。
設定、展開としては王道。
そんな中で、一人の主人公の視点ではなく複数人の視点で物語は展開していく。
複数の人が事件を見て、考えて、探偵役として推理していく。
一つの推理が行われるもそれが否定され、また新たな推理が展開される。
多重推理ともいえるか?
集まった人たちは誰も彼も一癖あって怪しい人ばかり。
それぞれが館に集まった理由とか、その立場による考え。
心理なども描かれていてそれは比較的腑に落ちやすい。
設定が先にくると人間が描けないところもあるが、この作品ではある程度描けているのではないだろうか。
とはいえ、変人ばかりで、そんなやついるのか? と思ったりはするけれど。
キャラクターとしてはとらえやすく、物語としても読みやすい。
ミステリ―を楽しむというよりは、こういう設定のドラマを楽しむ感じかもしれない。
ミステリ―研究会の大学生の思考はヤバイ。
あれはサイコパスだね。