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ミステリー 書評

【ブックレビュー】なんで死体がスタジオに!?(著:森バジル)

更新日:

【作品情報】
 作品名:なんで死体がスタジオに!?
 著者:森バジル
 ページ数:256
 ジャンル:ミステリ―、エンタメ
 出版社:文藝春秋

 おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 人狼度 : ★★★★★★☆☆☆☆
 こういう人におススメ! : ちょっと変わった設定のエンタメミステリーを読みたい人

■作品について

バラエティプロデューサー・幸良涙花は、がけっぷち、である。
筋金入りのお笑いファンかつテレビっ子だが、不運体質(?)のせいか、失敗に失敗を重ね、会社からは「次がダメなら制作を外す」と告知されている。

進退をかけた「次」の番組は、その名も「ゴシップ人狼」。
出演者たちが持ち寄ったリアルゴシップについて語りながら、紛れ込んでいる嘘つきを推理する、というトーク番組で、季節ごとの改変期に放送される人気特番だ。
マンネリ化する番組のテコ入れに、これを「生」で放送しろ、と上司は言うが、コンプラ的にも、事務所対応的にも無茶な企画。奮闘する幸良が、本番前に出会ったのは……

「大御所俳優・勇崎恭吾の死体」だった!

生放送まであと20分。幸良は特番を乗り切れるのか!? そして、この事件の犯人は?

■良かった点

森バジル作品の2作目。
今回はテレビの生放送番組を舞台に展開する。
番組は「ゴシップ人狼」
芸能人たちが互いにゴシップを披露するけれど、その中には嘘のゴシップしか言わない人がいる。
その嘘つきが誰なのかを推理するという番組だけれど・・・
番組直前に、出演予定の大物俳優の勇崎恭吾の死体を番組プロデューサーが発見!
しかも犯人から番組の生放送は続ける指示のメッセージつき。
咄嗟に、勇崎恭吾は死んだ設定にして、嘘つきとあわせて殺人事件の犯人あてもあわせた番組として放送を続けていく。
生放送中に、犯人を捜しあて、なおかつ番組を無事に終わらせられるのか?
というもの。

番組に関わる複数の人間の視点で入れ替わり物語は展開していく。
それぞれにはそれぞれの思惑があるわけで。
この番組に爪痕を残したいと考える一発屋芸人、この番組から女優転身を狙うバラエティアイドル、面白い番組を作りたいプロデューサー。
様々な考えが交錯する中、果たして誰が犯人で、なぜこんなことを起こしたのかを追いかけていく。

物語的には結構分かり易いヒントが入っているっちゃあ入っている。
テンポよく進んでいく中、それが分かれば犯人とかは推理できるかも?
作りとか、最後のオチとか、ちゃんと作られており楽しめる一作と言えよう。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

悪くはないんだけど、個人的に人狼の方を期待してしまったため肩透かし。
誰が人狼なのかを推理するところにはあまり重きを置かれていないから。。。

 

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