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ミステリー 書評

【ブックレビュー】蝋燭は燃えているか(著:桃野雑派)

更新日:

【作品情報】
 作品名:蝋燭は燃えているか
 著者:桃野雑派
 ページ数:352
 ジャンル:ミステリ―
 出版社:講談社

 おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
 炎上度 : ★★★★★★★☆☆☆
 こういう人におススメ! : 社会派ミステリーを読みたい

■作品について

宇宙ホテルでの連続殺人事件から無事に帰還した京都の女子高生真田周は、大気圏突入時、行方不明の友人へ向けて音楽配信をしたことで「人が死んだのに不謹慎だ」と、SNSで炎上してしまう。
まるで事件の加害者かのような扱いを受け、迷惑系動画配信者が現れるなど、日常の通学すら困難になっていく。
ある日、地球帰還時のアーカイブ動画に不穏なコメントが書き込まれた。
「まずは金閣寺を燃やす」
半信半疑の周の目に映ったのは、予告通り黄金色に輝きながら燃え落ちる金閣だった。
その場には、行方不明の友人・瞳子の姿。あの子がこの炎上を引き起こしたのか?
哀しみの劫火が、京都を襲う。

■良かった点

「星くずの殺人」の後日の話。
作品でも登場した女子高生の周を主人公に、宇宙ホテルから帰還した後の話を描く。
とはいえ、前作を読んでいなくても本作だけでも大きな問題はない。

今回も殺人事件ではあるが、謎解きミステリ―ではなく社会派ミステリーという感じか。
テーマは、被害者と加害者、被害者家族と加害者家族。
事件における被害者と加害者がいて、でも被害者も加害者になりかわることがある。
さらに、その家族は自分自身のことではなくても大きな影響を受ける。
誰がいつ、どの立場になるかもわからない。
しかも今の世の中はネット、SNSで簡単に物事は伝わる。
それも切り抜きなどで簡単に誤解も生むし、伝わり方、伝え方次第でどうにでもなり、炎上する。

全編通して重いテーマを描き、その事件の真相というか結末というかもあまり救いがない。
自分が酷い目にあえば、復讐したいと思うのも自然なことだとは思う。
それをやったら犯罪者、加害者にまわることになるけれど、だからといって被害者でい続けなければならないのか。
自分が悪いことをしたわけでもないのに、被害者として苦しみ続け、しかも被害者という立場を利用していると言われることすらある。
この世の中はそんなんばかりなのか。

宇宙ホテルからの帰還時の行動で、周も炎上して被害者の立場になる。
しかし周、こんな性格でしたっけ?(まあ、星くずのときはそこまで出番が多かったわけではないか・・・)
周の気持ちも分からなくはないが、自分のことを棚にあげてそれを言うか・そんな風に思うのか、というツッコミは内心持ち続けてしまった。
そこがちょっとなぁ。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

前作と今作で好みは分かれそう。
個人的にはミステリーに寄った前作の方が好み。

 

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