もしかしてギャルは俺達(普通の男)に優しいんじゃないか?
そう思わせてくれる昨今のギャル関連の恋愛漫画。
- やんちゃギャルの安城さん
- イジらないで長瀞さん
- ポンコツ風紀委員とスカート丈が不適切なJKの話
等々。
そんな中、私がかねてより推しているのがこの「その着せ替え人形は恋をする」です。
最新5巻が発売されましたので、1巻からも含めて魅力をご紹介します!
作品情報
作品名 | その着せ替え人形は恋をする |
著者 | 福田 晋一 |
出版社 | スクウェア・エニックス |
紹介対象の巻 | 1-5巻 |
ジャンル | コスプレ好きなオタクギャルとのラブコメ |
あらすじ
主人公の五条新菜(ごじょうわかな)はクラスでも特に目立たない男子高校生。
とはいえ一般的な男子高校生ではありません。
というのも実家は雛人形を作る人形屋で、新菜は雛人形の頭を作る頭師になることを夢に持っています。
幼い頃から人形作りばかりしてきた新菜は、そのせいで小さい頃は女の子から馬鹿にされたりして、人形作りが趣味だということを隠して成長します。
他に趣味もないため高校でも友達もできない新菜。
「その着せ替え人形は恋をする」 1巻 福田 晋一/スクウェア・エニックスより 引用
そんな新菜の前に現れたのは同じクラスにいるギャルの喜多川海夢(きたがわまりん)。
明るく友達も多く、新菜にとっては別世界に住んでいる人間という認識です。
ですがある日偶然、学校の被覆実習室でミシンを使っているところを海夢に見られてしまいます。
気持ち悪がられると思った新菜ですが、海夢の反応は全く逆、むしろミシンを使って服を作れる新菜を凄いと褒めます。
実は海夢、大のオタクで好きなキャラクターのコスプレがしたいけれど衣装が作れなくて困っていたのです。
新菜に、海夢が着るためのコスプレ衣装を作って欲しいとお願いする海夢。
「その着せ替え人形は恋をする」 1巻 福田 晋一/スクウェア・エニックスより 引用
こうして二人のコスプレ衣装作りが始まるのでした。
作品の魅力
なんといってもお互いに惹かれていくラブコメとして、見ていて心が躍ります。
主人公の新菜は大きい体をしていながら人形作りが趣味ということにコンプレックスを抱いています。
好きだけれど人には言えない、そういう思いを抱えており、それ故に人形のことだけではなく他にも言いたいことを口に出せなかったりしています。
だけど海夢は違います。
ギャルだけどアニメが好き、ゲームが好き、コスプレが好きの超オタク。
でも好きなものは好きだと言うし、人の好きなモノを馬鹿にするようなやつは大嫌い。
自分が何をしたいか、何を思っているかはきちんと口にして言わないと駄目だと、真正面から新菜に言います。
今までコンプレックスを抱いて自分を隠してきた新菜は、海夢の言葉に考えさせられます。
- 好きなものを好きだと、隠さずになんでもオープンにして生命力にあふれている海夢
- 好きなキャラへの愛をダダ漏れにする海夢
- 新菜の趣味を馬鹿にせずに凄いと、目を輝かせて言う海夢
新菜が徐々に惹かれていくのは当然のことかもしれません。
「その着せ替え人形は恋をする」 1巻 福田 晋一/スクウェア・エニックスより 引用
一方の海夢。
最初は単にコスプレの衣装を作ってくれることに喜んでいるだけでした。
だけど、海夢がしたいコスプレキャラ(エロゲ―のキャラ)を理解するためにエロゲをプレイし、そのキャラクターの性格や生い立ちなどを知り、その上でどういう衣装にすべきなのかを考えて作る姿勢。
どうすれば魅力的な写真が撮れるかを真剣に考える姿。
海夢のことを真摯に考えてコスプレ衣装作りに協力してくれる新菜に対して、海夢も好意を抱くようになります。
この手のギャル系のラブコメといえば、ギャルが相手の男子をからかって楽しむというのが多いです。
ギャルの方も男の方に好意を抱いているのだろうし、そうでなければ構うはずもないけれど、実際に好きとかそういうことを言ったりはしていません。
だけど本作では、海夢ははっきりと新菜のことを好きだと言っています。
また、海夢は新菜をからかって楽しんでいるというよりは、本当に自分の好きなことをしているだけ。
コスプレが好き、コスプレ衣装を新菜が作ってくれる、だから一緒にいて話をして遊びに行ってとしている。
その中で新菜をからかうようなこともありますが、行動の本質が違う。
ちょっとした違いかもしれませんが、他のギャル系のラブコメと大きく違うと感じるのはそのせいなんじゃないかと思います。
「その着せ替え人形は恋をする」 5巻 福田 晋一/スクウェア・エニックスより 引用
海夢の大胆な衣装や言動に照れる新菜。
意識するし、駄目だと思ってもやはり健全な男の子、興味はあるし色々と想像してしまいます。
海夢も普段は奔放に行動していますが、不意に新菜なのことを意識してしまい、大好きモードに入ってしまう。
そんな二人の行動が見ていて楽しいし微笑ましいのです。
「その着せ替え人形は恋をする」 5巻 福田 晋一/スクウェア・エニックスより 引用
またコスプレに関しても、単に作品のネタとして出てきているわけではなく、色々と知らないことを教えてくれます。
衣装の作り方もそうですが、コスプレのための小道具であったり、ウィッグについてであったり、メイク、背景、撮影方法など、コスプレに関する知識も得ることが出来ます。
海夢がもともとコスプレ初心者なので、作品が進むにつれて少しずつレベルアップして知識をためていく、実際に撮影していくというのもうまい作り方になっています。
ギャルなヒロインとのイチャコラ。
からかっているわけではなく、ギャルの方もガチで恋心を自覚しているためか、本当にイチャコラが楽しい。
ギャルとのラブコメはもちろん、近年のラブコメという点でもトップレベルに面白い一作、是非、読んで欲しい作品です!