「マリア様がみてる」 一覧

～　二人の王子さまと二人のお姫さま　～   　眠れる森の美女ならぬ、眠れるベンチの美少年がいた。 　ＧＷが過ぎると、一気に春の暖かさが全開となってきたこの頃、確かに昼寝するには良い気候かもし ...

  　藤堂、という名前に恥ずかしながらも簡単に反応してしまった。 　幸いなことに、飛び上がるとか、大声を出すとか、ソファから転がり落ちるとか、そのような具体的な行動にはつながらなかったため、 ...

  「それで実際、何があったの？」 祐麒が帰宅したあと、改めて美月が祭りのことを尋ねてきた。 可南子は長い髪の毛を指で梳きながら答える。 「……その、知らない間に、浴衣の中に入って来ていて」 ...

  ～　新作発売記念！　マリみて十二国記　＜奏＞　～   奏国は十二国の中でも最も長く王朝が続いており、既に６００年を数える。 その長期にわたる成功の秘訣はと言えば、王を中心とした ...

  　秋が過ぎ去り、冬が一気に押し寄せてきたように感じられた。 　冷たくなった風を首筋に受け、私は軽く身を縮こまらせる。寒いけれど、冬という季節は嫌いではない。冷えた夜空に敷き渡った星空とか ...

～　祭りのアト　～   　例え夜になって日が落ちたとて、真夏は真夏であり、蒸し暑さが解消されるというわけではない。ギラギラと焼き殺さんばかりの太陽が顔を隠しただけマシだが、周囲は徐々に暗くな ...

  ～　新作発売記念！　マリみて十二国記　＜慶＞　～   慶国と女王は相性が悪い、それは近年続く女王の治世から見ても明らかだった。 今度こそは、と期待したがまたしても女王で、加えて ...

～　フツウの少女　～   　祥子は普段、噂話の類には興味を持たない。だがそれは、噂話を聞かないということとイコールではない。近くで噂話がされていればごく自然と耳には入ってくるし、その内容を理 ...

～　祭りのアト　＜可南子編＞　～   　例え夜になって日が落ちたとて、真夏は真夏であり、蒸し暑さが解消されるというわけではない。ギラギラと焼き殺さんばかりの太陽が顔を隠しただけマシだが、周囲 ...

～　恋せよ乙女　～    　十二月に入ってすぐのこと。  　高校生時代の女子仲間たちとの同窓会が開催され、ちょうど仕事の都合もついた栄子は参加をすることが出来ていた。  　さすがにこの年齢に ...