【作品情報】
作品名:午前零時のサンドリヨン
著者:相沢 沙呼
ページ数:386ページ
ジャンル:ミステリー
出版社:東京創元社
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
青春ミステリー度 : ★★★★★★★★★☆
こういう人におススメ! : 学園モノ、青春モノ、ミステリーが好きな人
普通の女子高生、酉乃初。だけど彼女には裏の顔がある。
それはレストラン・バー『サンドリヨン』でマジシャンとして働くことである。
普段は人見知りで表情も少ない彼女だが、マジックを見せている時は言葉も滑らか、笑顔も見せて客を楽しませる。
そんな少女に見せられた少年、須川が持ち込む学園で起きた日常の謎。
初はマジックで磨き上げられた洞察力でその謎を解決していく。
ごく普通の少年、須川が、マジシャンとして働く初に惹かれて行動する。
学園にちりばめられた、いわゆる「日常の謎」は、どれも些細なようでいて推理力と想像力が必要。
そしてその謎を解いた先に見つかるのは、決して甘くて優しいものではなく、苦くて切ない事実。
高校生らしいといえば高校生らしい、将来の事だったり、家族のことだったり、友人のこと、自分のこと、そういったことで思い悩んで苦しんでいる姿が目に浮かぶ。
ただ甘ったるいだけの、青春ミステリーではない。
青春とは苦いものだと感じさせてくれる。
作品自体は4つの短編が収録されており、最後の短編を読むことで、それまでの作品が全て繋がって物語として一つの謎が解かれる、短編連作ミステリーである。
その散らばらせ方、収束の仕方はなかなかうまく出来ており、そういうことかと読んだ時に思わせられる。
殺人はないけれど、ちゃんとミステリとして伏線がはられ、回収されているので納得感あり。
文章も読みやすく、短編だから読んでいて適度な長さで終わり、ミステリ初心者にも良いと思う。
またラノベ的でもあるので、ラノベから入る人にも良いかな。
気軽に手に取って読める「日常の謎」系ミステリーにボーイミーツガールもどうぞ、そんな作品。
うーん。
やっぱ主人公でもある男子高校生、須川がなぁ。なんというか。
これは「マツリカ」シリーズでもそうなんだけど、同じような感じなんですよね。
こちらの作品の方が先なんですか、主人公キャラに魅力が欲しい。
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価格:648円 |