【作品情報】
作品名:ナイルに死す
著者:アガサ・クリスティー
ページ数:581
ジャンル:ミステリ―
出版社:早川書房
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
クリスティーはやっぱり読ませる度 : ★★★★★★★★☆☆
こういう人におススメ! : 人間関係を描いたミステリーが好き
美貌の資産家リネットと夫サイモンのエジプトでのハネムーンに暗雲が垂れこめていた。
サイモンのかつての婚約者が銃を隠し二人を付け回しているのだ。
不穏な緊張感が高まるなか、ナイル川をさかのぼる豪華客船上に一発の銃声が轟く。
それは嫉妬ゆえの凶行か?
船に乗り合わせたポアロが暴き出す意外な真相とは?
久しぶりにクリスティーを手に取った。
本作は「ナイル殺人事件」として映画化もされていますね。
映画化されるのも納得という感じで、ミステリーと人間ドラマがうまいこと描かれているわけです。
エジプトを旅行するツアーの船上で発生した殺人事件。
富豪夫妻の妻・リネットが殺される。
同じ船には怪しげな客ばかり。
殺された女性に愛する男性を寝取られた親友のジャクリーン。
リネットと結婚し一躍金持ちとなったジャクリーンの元恋人のサイモン。
リネットの財産の管理人。
落ちぶれた女流作家やら弁護士やら。
本作の見事さは冒頭にも書きましたが、人間模様とロマンスとミステリーの融合でしょう。
単に謎解きに重きを置いているわけではなく、様々な思いが交錯する人間関係の中で発生する殺人事件。
WHATでもHOWでもない、WHY。
なぜこの殺人が発生することになったのか、その動機、原因。
そこに収束させていく後半がやはり見事であり、後半に辿り着いた時に改めて前半から描かれてきた様々な会話がいきてくる。
重要なのはやっぱり、リネットとジャクリーンという二人の女性。
そして二人とそれぞれ会話をするエルキュール・ポワロ。
ラストシーンは、そうなるかー、というものでしたね。
ボリュームあります。
翻訳ものなので、気になる部分がないわけではないし、古い作品でもあるのでそういう意味で気になる点がないわけではないが。
些細なことですね。