【作品情報】
作品名:探偵が早すぎる (下)
著者:井上 真偽
ページ数:304
ジャンル:ミステリー
出版社:講談社
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
探偵が早すぎる度 : ★★★★★★★★☆☆
こういう人におススメ! : 一風変わったミステリーが読みたい
完全犯罪を企み、実行する前に、探偵に見抜かれてしまった犯人の悲鳴が響く。
父から莫大な遺産を相続した女子高生の一華。
四十九日の法要で、彼女を暗殺するチャンスは、寺での読経時、墓での納骨時、ホテルでの会食時の三回! 犯人たちは、今度こそ彼女を亡き者にできるのか!?
百花繚乱の完全犯罪トリックvs.事件を起こさせない探偵!
上巻を受けての下巻。
今回はいよいよ、49日に法要を舞台とした争いが繰り広げられます。
お寺での読経、お墓での納骨、ホテルでの会食。
それぞれの場において、一華の親族たちはこれまた色々な策を準備して待ち受けます。
そして、そのことごとくを探偵は未然に防いでいく!
よくもまあ、こんなことを考えて一華を殺そうと考えるし、それをまた看破して事件発生前に防ぐというのも。
弄される策は、かなり偶然性とかに頼るものもありますけれど、というかそういうものが殆どではありますが。
事故に見せかけて殺そうというのだから、それも致し方ない所か。
本来的にはかなり緊迫しているはずなのだが、一華が相当に鈍感なので、殺気にも気が付かないというかね。
自分が狙われていて、それを知ってもいるのに、周囲で発生していることに関してあまり意識していないというか。
むしろ、友人の未夏と律音の方がよほど危険を感じているという。
ただそれ故に、ピリピリした雰囲気がなく、ライトに読めるというもの。
事件を未然に防ぎ続けて終わるのかと思えばさすがにそんなことはなく。
最後にはまた違う仕掛けがきっちりと待っております。
橋田の正体。
そして一華との関係。
そういったところも魅力の一つ。
まだ続編が出るようなら読んでみたい。
トリックは数多いのだけれど、その分、駆け足に解決していく感じ。
上巻のように、一つ一つをきっちり描いていった方が個人的には好みだった。