【作品情報】
作品名:家族解散まで千キロメートル
著者:浅倉秋成
ページ数:320
ジャンル:ミステリ―
出版社:KADOKAWA
おススメ度 : ★★★★★☆☆☆☆☆
ロードムービー度 : ★★★★★☆☆☆☆☆
こういう人におススメ! : 家族の姿を見つめたい
実家に暮らす29歳の喜佐周(きさ・めぐる)。
古びた実家を取り壊して、両親は住みやすいマンションへ転居、姉は結婚し、周は独立することに。
引っ越し3日前、いつも通りいない父を除いた家族全員で片づけをしていたところ、不審な箱が見つかる。
中にはニュースで流れた【青森の神社から盗まれたご神体】にそっくりのものが。
「いっつも親父のせいでこういう馬鹿なことが起こるんだ!」理由は不明だが、父が神社から持ってきてしまったらしい。
返却して許しを請うため、ご神体を車に乗せて青森へ出発する一同。
しかし道中、周はいくつかの違和感に気づく。
なぜ父はご神体など持ち帰ったのか。
そもそも父は本当に犯人なのか――?
家族の姿を描いた物語。
かつて行われた父親の浮気によって喜佐家は歪な状態になっていた。
それでもなんとか家族の形をとっていたものの、実家の取り壊しを機に家族は完全にばらばらになることに。
ところが実家から転居する三日前に、青森の神社から盗まれたご神体と思われるものが実家の倉庫から見つかる。
いつも家に殆どいない父親が持ってきたものでは!?
家族は慌てて神社にご神体を返しに行くため青森に向かうことになるが・・・
あらすじを読むと果たしてどんな結末を迎えるのか楽しみに思えてくる。
作者が浅倉さんというのもその期待をあげさせる。
突然にとんでもない事態に巻き込まれ、右往左往する家族たち。
家族たちでも性格は違うから、その際にとる行動には個性が出てきて、どんな家族だったのかというのがそういうので想像もさせられる。
ドタバタ劇で青森に向かうが、当然ながらすんなりと進むはずもない。
追跡してくる謎の車。
どこにいるか分からない父親。
到着した青森で待ち受ける事態。
そんな中で突きつけられる事実。
事件の真相。
家族たちの決断。
事件緒裏には想定外の理由があったのだけど・・・
いや、納得できないのだけど!?
浅倉さんで期待をあげすぎたか。
そうでなくても、ちょっとわけわからん物語だったなぁ、というのが個人的な感想です。
とりあえず全般的に全く登場人物たちの動きが理解できなかった。
とんでもない状況下に突然おかれてまともな判断ができなくなっている、というのはあるかもしれないけれど。
結局、何を伝えたかったのだろう。
個人的には響かなかった作品。