【作品情報】
作品名:ヒポクラテスの悲嘆
著者:中山七里
ページ数:312
ジャンル:ミステリ―
出版社:祥伝社
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
テーマの深刻度 : ★★★★★★★★★☆☆
こういう人におススメ! : 社会派ミステリー好き
家族はどこで一線を越えてしまったのか
浦和医大法医学教室にミイラ化した遺体が運び込まれた。
亡くなったのは40歳の独身女性で、死後2週間が経っていた。
まだ4月だというのに埼玉で見つかった4体目の餓死死体だ。
埼玉県警の古手川によると、女性は大学受験に失敗して以来20年以上引き籠っていたという。
同居していた70代の両親は先行きを案じ、何とか更生させようと民間の自立支援団体を頼ったが、娘は激昂し食事も摂らなかったらしい。
彼女はなぜ餓死を選んだのか? それとも親が嘘を?
だが、解剖を行った光崎教授は、空っぽであるはずの胃から意外なものを見つけるが――
今回のテーマは引きこもり。
単なる引きこもりではなく、長期にわたる引きこもりによって親も年を取り、この先どうするのか?
といったいわゆる「8050問題」である。
それにプラスして老々介護的なものもある。
もし、自分がそういう状況になったらどうするか。
子供がいい年をして職につかず部屋に引きこもり、親が面倒を見ている状況。
このまま自分が死んだら子供はどうなるのか。
あるいは、この生活がいつまで続くのか。
そう考えた時、人はどう動くのか。
現実的な問題であり、実際に今の社会で問題化していることでもある。
本当にありうる話であり、悲しくもおそろしくなり、だけど実際に起こりうる。
タイトル通り、悲嘆というしかない。
もちろん、極端に描いている部分があり、実際には異なるのかもしれないけれど。
やっぱり考えさせられる部分ありますよね。
犯罪を起こしてしまう側の気持ちも分からなくもないというか。
周囲が外から言うのは簡単なんでしょうけれどね。
まあ、気分が明るくなる話ではないので、その辺は分かったうえで読んでいただければと。
最後の展開は、まあそうだろうなと最初から読み取りやすいですね。