【作品情報】
作品名:僕は君に、10年分の『 』を伝えたい。
著者:天野 アタル
ページ数:256
ジャンル:エンタメ
出版社:KADOKAWA
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
優しい作品度 : ★★★★★★★★☆☆
こういう人におススメ! : 純粋な物語で読後感の良い作品が好き
叩きつけるような豪雨の日、恋人の記憶がなくなった。
しかも、失った記憶は――3年。
主人公が彼女と出会ったのは3年間。
積み重ねてきた3年間全ての記憶を失った彼女を前にして、主人公にできることは。
再び、二人は関係を築くことはできるのか--
この作品、実は間違えて購入してしまったものです(笑)
しかも、読み終わるまで、そのことに気が付かなかったという。
もともと内容を知っていたわけではなくて、この本だったんじゃなかったかな、とかそんなんで手に取って。
でも、読みやすくあっという間に読み終えて、読後感も爽やか。
主人公はいきなり、恋人の記憶が失われるところから始まる。
しかも、出会ってから交際を開始して現在に至るまでのちょうど3年間を忘れてしまうという。
家族のことは覚えていても、恋人のことは覚えていない。
むしろ全く知らない男で、その男が迫ってくるわけだから彼女としては怖いですよね。
そして主人公としてはキツイ。
そんな状況下で、主人公が取る行動。
なかなかそんな決断はできないよな、と思う。
それくらい一途に彼女のことを思っているわけで。
途中、主人公と彼女の間を邪魔するようなキャラクターも出てきてどうなるかと思わせるが、その辺もあっさり解決。
主人公と彼女の仲がヤバいことになっていくようなことはあまりなく、そういう意味では安心して読める。
もっとドロドロを期待している人には物足りないかもしれないけれど、この作品はそういうのではない。
お互いがお互いのことを思うからこそ傷つくけれど、でもあたたかくなれる。
優しい気持ちになりたい、そういう時に読みたい作品。
大きなどんでん返しとかがあるわけではないけれど、安心して最後まで読める。
そして読んだ後はちょっとほっこりする。
あっという間に読み終えることもできるし、本を読みたいと思い始めたような人にもおすすめできる。
この作品はこれでよいのかな。
まあ、あっさり風味ではあるけれど。
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