【作品情報】
作品名:イリヤの空、UFOの夏 その2
著者:秋山 瑞人
ページ数:328
ジャンル:SF、エンタメ
出版社:アスキー・メディアワークス
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
青春度 : ★★★★★★★★☆☆
こういう人におススメ! : 1巻が気に入った人
浅羽が深夜のプールで出会った謎の少女、伊里野加奈。
そんな二人の初デートには、追跡する男女が二組。
伊里野が語る話。
濃密な文化祭、浅羽と伊里野と晶穂の恋のさや当て。
ひと夏の物語は、まだ始まったばかり。
1巻のレビューはこちら↓
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【ブックレビュー】イリヤの空、UFOの夏 その1(著:秋山 瑞人)
【作品情報】 作品名:イリヤの空、UFOの夏 その1 著者:秋山 瑞人 ページ数:311 ジャンル:SF、エンタメ 出版社:アスキー・メディアワークス おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆ ...
前巻の浅羽とイリヤのデートの続きから。
デートの尾行をする、妹の夕子と水前寺。
そして、榎本と椎名。
さらに文化祭の大騒動。
文化祭といえばカップルができるイベントなわけで、晶穂の奮闘が描かれる。
デートの後半は、なんといってもイリヤの独白だろう。
初めてする話、誰にもしたことのない話を浅羽に初めて聞かせるイリヤ。
その内容から得られる、イリヤの置かれた立場の得意さと、語るイリヤの純粋さというかが対比されて淡々としているのに非常に痛く突き刺さるように感じる。
どう反応すれば良いのかも分からない。
どうとらえればよいのかも分からない。
それだからこそ、浅羽はよりイリヤが気になるし、知りたくなるし、何かをしてあげたくなるのかもしれない。
たとえ具体的にどう、というものがなくても。
一方でイリヤの対極にいるのが晶穂である。
何もせずに察してくれというイリヤとは反対に、浅羽に積極的に絡んでいって察しろという行動派。
行動派のくせに大事なところは行動せず相手待ちというのは、彼女の性格的に仕方ないところなのだろう。
イリヤが登場し、イリヤを気にかけている浅羽に苛々する晶穂。
そんなときに都合よくやってきたのが学園祭。
同じ新聞部として企画の準備をする。
しかも各クラスや部活の企画を特集してペーパーにするから、一緒に見て回らないといけないなんていう理由をつけて浅羽を振り回すのは可愛いではないか。
文化祭の最後にはファイアーストームを囲んでのフォークダンス。
その約束をしたようなしないような、イリヤと浅羽、晶穂と浅羽。
二人のどちらと踊るのかと思ったが、最後に浅羽が見たのはイリヤの空。
ここも何か明確に描かれたりメッセージが伝えられたりするわけではない。
それでも、青春というか、甘酸っぱいものが紙面から漂ってくるように感じられる。
さて、これで2巻が過ぎたわけだが、まだ先が読めない。
ということで3巻に。
この2巻でも、特別な事件が起きるわけではないので、また評価に困る部分はある。
色々な謎があるわけで、全体を読んでからでないと、やはり難しいなぁ。