書評と主にマリア様がみてるの二次創作(旧:よしのXブレード)

マリア様の愛読書

ノーマルCP マリア様がみてる 祐巳

【マリみてSS(祐巳×祐麒)】何があったの?

更新日:

~ 何があったの? ~

 

 

 もとはといえば、どこから取り出したのか祐巳が不意に見せてきたワインのせいだった。コンビニで買ってきた安いワインか、はたまた家で保管されていたもらい物か、中身のほどは知らなかったがワインであることに間違いはない。
 夜も更けてきた頃、「飲んでみない?」と悪戯っ子のような顔をしてやってきた祐巳。やめておいた方が良いと最初こそ諌めたものの、ちょっと馬鹿にされたような態度をされて頭にきて、結局は二人でグラスを傾けることになった。ワインを飲んでいると、大人になったみたいだ、なんて笑いながら。
 口当たりの良い飲みやすいワインだったことが良かったのか悪かったのか、意外なほどに飲みは進む。つまみに出されたクラッカーとチーズも合っていたのかもしれない。そうして調子に乗って飲んでいたなあ、なんて思いながら祐麒は目を開いた。
 いつの間にか眠ってしまっていたようで、自室のベッドの上にその身を横たえていた。やけに気怠いのは、やはり昨夜のワインのせいだろうかと思い、どうせ休みだしそのまま二度寝に入ろうかと考えていると。

「――なに、せっかく起きたのにまた寝ちゃうの?」
 と、やけに近い場所から祐巳の声が聞こえ、慌てて声がした方に顔を向けると。すぐ目の前に祐巳の顔があった。
「え、え、祐巳?」
「ふふ、おはよ、祐麒」
「ああ、おはよう……って……」
 祐巳の髪の毛は波打つように広がり、くるまった毛布の下からは華奢な肩がはみ出し、爽やかな色香を放っている。
 さらに驚いたのは、祐麒自身が何一つ身に付けていない素っ裸であることだった。裸で寝る習慣はないし、時期的にもそこまで暑いわけではない。それにもかかわらず、パンツすら穿かない丸出しで寝ていたことになる。そして同じベッドの隣には、同じように恐らく毛布の下は全裸と思われる祐巳が寝ている。この今の状況が何を指し示しているか。
「な、なあ、祐巳。あの、昨日さ……」
「ああ、うん。祐麒、可愛かったよ」
「…………っ!?」
 はにかむ祐巳に、ドキリとする。
「あ、可愛い、っていうのは嫌? でも……ふふっ、祐麒ったら可愛い声出すんだもん」
 くすくすと肩を揺らして笑う祐巳を見て、祐麒は戸惑いと羞恥と混乱とに同時に襲われてどう反応したらよいかもわからず動けもしない。
「あ、うん、だけど……私も、良かったよ…………」
 ほんのりと頬を赤く染め、布団で口元を隠す祐巳。ちらりと祐麒に目を向け、恥ずかしそうにしながら続ける。
「祐麒は、どうだった?」
「えっ!? い、いや、俺は……」
「なんなら……今夜も、する? 今度は、私の部屋で」
「え、あ、ああ……、う、うん」
 思わず頷いていた。
「それじゃあ、私はそろそろ起きようかな、っと」
 もぞもぞと身を起こす祐巳。布団で体を隠しているが、ちらりと見えた体はやはり何も纏っていないようだった。脇腹からの滑らかな曲線を描いた腰のラインが目に入り、そのままお尻の方まで追いかけようとして。
「こーらっ」
「ぶわっ?」
 祐巳の腕が伸びてきて、手の平によって目を隠された。
「やっぱり恥ずかしいんだから、向こう向いて目を瞑ってて」
「え……」
「ほら、早く」
 有無を言わさず壁の方を向かされてしまった。
「こっち見たら、今夜はナシだよ?」
「わ、分かったよ」

 一体、夜に何があったのか。そして今夜は何が起こるのか。分からないが、祐巳の言葉には逆らうことが出来ず、背を向けたまま目を閉じる。
 祐麒がじっとしていることを確認してか、祐巳がゆっくりと毛布から抜けて立ち上がる気配が背中から伝わってくる。
 更に、床から何かを拾い上げて服を着る衣擦れの音が耳に届く。目を瞑り視覚が奪われているせいか、やけに音がクリアに伝わってきて心臓の動きが速くなる。振り返りたくなるのを必死に堪えるが、そろそろと首を捻り出してしまう。
「……こーらっ。祐麒、駄目だってば」
「み、見てねーよっ」
 窘められて、あわてて布団をかぶる。
「ま、もう着替え終わったけどね。それじゃね、あんまり遅くまで寝ているんじゃないわよ?」
「あ、祐巳……」
 慌てて起き上がると、ちょうど祐巳が部屋の外に出て行くところだった。パジャマがわりのシャツとハーフパンツ、癖っ毛が背中で跳ねている。扉を出て行く際、ちらりと祐麒に目を向けたが、何も言わずそのまま出て行った。
 本当に夜の間に何があったのか全く覚えていないが、状況から考えるに、やってしまったのだろうか。そんなもったいないことを覚えていないなんてありえるか。だが、祐巳のあの発言、態度。
 部屋を見回す。
 特にティッシュが散乱しているわけでもなく、シーツを見ても汚れている様子はない。
「ああもうっ、本当に、何があったんだーーーーー!?」
 ベッドの上、一人で悶える祐麒であった。

 一方、部屋を出た祐巳は。
 背後で祐麒が悶絶しているのを感知しつつ、ぺろりと舌を出して肩をすくめるのであった。

 

おしまい

 

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