【作品情報】
作品名:先生、大事なものが盗まれました
著者:北山 猛邦
ページ数:272
ジャンル:ミステリー
出版社:講談社
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
設定の意外性度 : ★★★★★★★★☆☆
こういう人におススメ! : ライトなミステリーを楽しみたい
愛や勇気など、形のないものまで盗む伝説の怪盗・フェレス。
灯台守高校に入学した雪子は、探偵高校と怪盗高校の幼馴染みとともに捜査に乗り出す。
「何が(What?)盗まれたか?」を描くという、一風変わったミステリー!
ミステリーでは「どうやって?」、「誰が?」、「なぜ?」そういったところに焦点があたるのが多い。
ところが本作では「何が?」である。
何が盗まれたのかが分からない、それを高校生探偵+教師というカルテットで解き明かしていくという、ちょっと変わったミステリーである。
しかも盗まれたものというのも、目には見えないモノであったりする。
もしかしたら、まずは設定から作り出した作品なのかもしれないが、北山先生はそういう傾向あるよなと思わなくもない。
探偵は、女の子を中心に、幼馴染の男の子二人というのは定番という感じがする。
そこに、謎の先生が加わって・・・・これも、学園ものとしては良いバランス。
狭い、閉鎖された島は独特の雰囲気が漂っていて、登場人物達とも合っている。
ミステリーではあるけれど殺人などではなく殺伐としていないし、肩の力を抜いて読むことが出来る。
盗むモノが盗むモノだけに、ファンタジーでもあるけれど、世界観的には壊れていないと感じさせるのは、舞台設定や登場人物がうまくはまっているからだろう。
ヨサリ先生の過去とか、怪盗とか、まだまだ明かされていない謎がある。
続くということなので、この先を待ってみたいところだ。
ファンタジーであるので、本格ミステリを期待している人はどう思うだろうか?
価格:745円 |