【作品情報】
作品名:それってパクリじゃないですか? ~新米知的財産部員のお仕事~
著者:奥乃 桜子
ページ数:272
ジャンル:エンタメ
出版社:集英社
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
知的財産について理解が深まる度 : ★★★★★★★☆☆☆
こういう人におススメ! : 気軽に面白い作品が読んでみたい
群馬の中堅飲料メーカー「月夜野ドリンク」に勤める亜季は、知的財産部に異動になった。
親会社から出向してきた上司の北脇は、弁理士資格持ちの知財エリートながら、全国の名物菓子を取り寄せては一人で楽しむ変わり者。
張り切って仕事を始めたとたん、服飾ブランドを営む親友が悪徳企業に訴訟を起こされそうになったり、自社製品のロゴを改変したパロディ商品が発覚したりと、亜季は慣れない業務に振り回される。
そのたびに北脇の知識と経験に支えられ、なんとか乗り越えてきた矢先、月夜野ドリンクが社運をかけて開発してきた新製品のお茶が、他社の権利を侵害しているとの理由で発売中止の危機に。
みんなが努力して開発した、汗と涙の結晶の技術を守るために、亜季ができることは!?
お仕事小説。
主人公の亜季が務めるのは中堅飲料メーカー。
その中の知的財産部に異動し、知財に関する仕事をしていく中で、知財に関する知識を得て成長していく姿をユーモラスに描いていく。
知財部に所属しているのは亜希の他に、親会社から出向してきた弁理士の資格を持つ北脇と、部長の熊井。
主に北脇と亜希を中心に物語は進行。
亜希は見た目バリキャリ、だけど中身は結構なうっかり屋。
だけど、失敗してもへこたれずに立ち上がり、前向きに仕事に立ち向かっていく性格。
正直、こんだけ強いメンタル持っているのは羨ましい(笑)
自分が知らないこと、今の自分には難しい仕事にも積極的で、そういう仕事を与えられるとむしろ喜び、燃えるタイプ。
失敗はするけれどそこからちゃんと学んで次に活かすし、コミュニケーション能力は高い。
熱意とコミュ力で相手を絆していくタイプですな。
論理的に進めていく北脇とは、うまいこと組み合わさって進めていくことができます。
知的財産に関することも、分かりやすく説明してくれる。
専門的になりすぎず、良い塩梅という感じ。
商品開発しているメーカーさんだと、こういうのは欠かせないでしょうからね。
私も普段の仕事からはあまり縁を感じない仕事ではありますが。
少しずつ亜希が成長し。
新製品が発売中止の危機に陥るも、亜希の機転(執念?)でその危機を乗り越えて。
そういう展開も王道であるけれど、だからこそ安心して楽しめます。
読みやすい筆致、分かりやすい登場人物達、多くの人が楽しめるであろう作品に仕上がっています。
しかし亜希、モテないなんて言っているけれど嘘でしょう。
絶対にモテますよ。
北脇はもうオチていますね(笑)
まあ、ある意味で分かりやすい作品である。
それが良いともいうから、まあ改善点だはないかな。