【作品情報】
作品名:孤島パズル
著者:有栖川 有栖
ページ数:332
ジャンル:ミステリー
出版社:東京創元社
おススメ度 : ★★★★★★☆☆☆☆
本格ミステリ的論理展開度 : ★★★★★★★★☆☆
こういう人におススメ! : ロジカルに推理したい人
英都大学推理研初の女性会員マリアと共に南海の孤島へ赴いた江神部長とアリス。
島に点在するモアイ像のパズルを解けば時価数億円のダイヤが手に入るとあって、早速宝捜しを始める三人。
折悪しく嵐となった夜、滞在客のふたりが凶弾に斃れる。
救援を呼ぼうにも無線機が破壊され、絶海の孤島に取り残されたアリスたちを更なる悲劇が襲う!
「月光ゲーム」に続くシリーズ2作目です。
「月光ゲーム」を読んだのはいつだろう・・・ものすごく時間をおいてようやく本作を手に取りました。
単に手に取る機会がなかっただけ。
物語は、閉ざされた孤島で発生する連続殺人事件と、実に古典的というか本格ミステリーらしい設定。
その割には、殺人が発生しても登場人物たちに切迫感はありませんが。。。
本作のウリはなんといっても本格らしいロジック、パズルですね。
島中に置かれたモアイ像の謎。
殺人はどのように行われたのか。
その謎が一つ一つ、順番に紐解かれていくのはまさにパズルのよう。
きちんと論理展開されていきます。
「読者への挑戦」
もきっちり入って、推理小説好きならここできっちり考えられるし、出されている情報もフェアだと思われる。
王道の本格ミステリーとして十分な内容。
大学の推理小説研究会の面々ということもあり、アリスとマリアなんかは青春を感じさせるところもあり。
それ以外のところでも、推理小説だけでなく詩とか芸術とか、そういうところも少し花を咲かせたり。
青春ミステリーとしても読めるかも。
いやぁ、論理展開されますが、納得できないところもいくつかある。
一つは泳ぎについて。そんな簡単に泳いでいける? 潮の流れや波もあるだろうし、プールを泳ぐのとは違うわけで、途中で溺れるかもとか考えないのか。
そもそも夜間の海でボート転覆したから泳いで帰ろうとかなるか??
泳ぐ方が明らかに体力使うだろうし、本当に自転車より速く移動できるか?
落とした紙も、台風もあったとか言っている中でその場に落ちたままとか、え?
自転車の踏み跡とかもねぇ。
とかとか、気になって、ちょっとありえんとか思ってしまう。