【作品情報】
作品名:シャーリー・ホームズとジョー・ワトソンの醜聞
著者:高殿円
ページ数:364
ジャンル:ミステリ―
出版社:早川書房
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
ワトソンのヤバさ度 : ★★★★★★★★☆☆
こういう人におススメ! : シリーズが気に入っている人
本当は2016年の出来事だった。
元軍医のジョー・ワトソンがベイカー街221bに帰ると、同居人の半電脳探偵シャーリー・ホームズが珍しく慌てている。
なんとジョーは9カ月前に結婚して、221bを出ていたというのだ。だが、ジョーには結婚の記憶がなく、現在を2015年と勘違いしていた。
まもなく、覚えのない求婚をしたという〈クラブ・ボヘミア〉のオーナーが依頼人として221bを訪ねてくる。
オーナーは、婚約以前に付き合っていた異性装着者のエイレネことアンドリュー・アドラーから脅迫を受けていた。
オーナーとジョーの記憶欠落に伴う婚姻のケースは極似している。
その原因を作っているのかもしれないエイレネは、ロンドン市内で、会員制のマッチング・キャンプを主催しているらしい。
さっそくシャーリーは現地潜入を試みるが、その後、連絡が途絶えたまま221bで帰りを待つジョーに、とある結婚式の招待状が届く。
それは、英国を揺るがす一大スキャンダルの端緒に過ぎなかった……
登場人物を性別転換させたホームズのパスティーシュ第三弾。
今回は(今回も?)ジョー・ワトソンが大暴れ。
ワトソンがいきなり結婚していたかと思えば離婚してシャーリーのもとに出戻りして。
かと思えばシャーリーがエイレネからの求婚を受けてそれを承諾したりして。
当然、そんな物語展開の裏には色々と絡んでいるモノが合って。
ホームズではあるけれど舞台は現代なので、そこに絡んでくるのは仮想通貨という今っぽいもの。
なんだけど、そこ至るまでの道筋がかなり独特。
読んでいくと、あ、そういうことなの?
ん?
でも、え、まあ、そうなのかなぁ。
みたいな感じに流されつつもそういうものと受け入れてしまうような。 まあ、どっちかという世界観を楽しむような部分が強い作品かもしれない。
そんな中でもジョーのヤバさがどんどんと明らかになっていくのが、ある意味で面白いところでもある。
これはこの人の味なんだろうけれど。
なかなかに文章が読みづらいというか分かりづらい部分はある。
だから、読むのに時間がかかる、かも。
でも、前2作の方はそんなことなかった気がするのだけど。