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ミステリー 書評

【ブックレビュー】君が何度死んでも (著:椙本 孝思)

更新日:

【作品情報】
 作品名:君が何度死んでも
 著者:椙本 孝思
  259ページ
 ジャンル:ミステリー
 出版社:αポリス

 おススメ度 : ★★★★★☆☆☆☆☆
 設定の工夫度 : ★★★★★★★☆☆☆
 こういう人におススメ! : どっちかというとドロドロ系

 

■作品について

いわゆる「タイムリープ」もの。
主人公の目の前で死んでしまう女性。
気が付くと時間が巻き戻って、またしても女性の死を見てしまう。
そんな悪夢のループをどうにかしたいと主人公が奮闘する。

ループしていく中で主人公と女性、それぞれ家族との関係であったり、また家族に対する感情、後悔、そういった思いを描いていく。ジャンル的には難しいが、青春ミステリーとでもいうべきだろうか。
テーマはタイムリープだが、SFものとはちょっと違う。<br>

■良かった点

あらすじだけ読むと、よくありがちなタイプリープものだが、たったの30分しか時間が戻らないという所が他の作品とは違うところだろうか。
普通であればかなりの時間をさかのぼり、その間に情報を集めて行動して未来を変えようとする。
ところが本作ではわずか30分しか戻ることが出来ない。30分でできることなどごくわずか、そんな中でも少しずつヒントを集め、女性と自分との関係性を考え、どんな危険に巻き込まれているのかと推理し、少しずつ真相に近づいていく。
そうやって一歩ずつ謎を解き明かしていくというのは読む側にとってみれば分かりやすいし、30分という中でいかにして無駄なく必要なことだけを実施していくか。
その辺の工夫を感じさせる。

また、最後はバッドエンドにならず、ちゃんと幸せな未来が見える終わり方なので、読み終えてホッとする。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

青春ミステリーではない。それが悪いと言うわけではなく、帯に騙されるなと。
爽やかではなく、むしろ人間関係のドロドロした物語であり、表紙とのギャップがある。
あと、これは完全に個人的な意見だけど、文章が合わなかった・・・

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