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SF ミステリー 書評

【ブックレビュー】ジャンヌ(著:河合莞爾)

更新日:

【作品情報】
 作品名:ジャンヌ
 著者:河合莞爾
 ページ数:320
 ジャンル:SF、ミステリー
 出版社:祥伝社

 おススメ度 : ★★★★★★★★☆☆
 未来を考えさせられる度 : ★★★★★★★★☆☆
 こういう人におススメ! : エンターテインメント性の高い作品を好む

 

■作品について

人口が5000万人まで減少した2060年代の日本では、ロボットの労働力が必須な時代となっていた。
そのロボットには必ず「ロボット三原則」が組み込まれ、人間に危害を及ぼすことはないはずだった。
ところがある日、家事用の人間型ロボットが持ち主である男性を殺害し、風呂場で死体を洗っているという現場を警視庁の刑事、相崎按人は目撃する。
ジャンヌと名付けられたそのロボットの解析の為、製造元へ移送中に相崎は謎の武装集団に襲われる。
ジャンヌと相崎の逃亡が始まった。

■良かった点

アシモフの提言したロボット三原則。
それが必ず適用されている前提でのロボット活用が推進された近未来の日本で起きた殺人事件。
殺害の手法、犯人は最初から明確であり、「なぜ」殺害したのかが主題のホワイダニット。
ただ異なるのは、犯人がロボットだという点で、その点が面白い。

何せジャンヌと名付けられたロボットは、自分は「ロボット三原則に反してはいない」というのだ。
ロボットであり嘘をつくことはない。
ならばなぜ、ジャンヌはロボット三原則を遵守したまま殺人を行えたのか?
その論理を追うミステリー。
というか、もしかしたら思考実験的なのかもしれない。

もちろんそれだけでなく、ジャンヌと相崎を襲撃した集団の正体は、その目的は。
襲撃者から逃げる相崎が、逃亡する中でジャンヌと会話をして、どのような思考をして、最終的に殺害に至ることになったのかを読んでいくのは興味をそそられた。
殺人事件を追わせつつ、ロボット三原則を越えた謎を考えさせつつ、実は最終的に「人とは何か」を考えさせられるのだ。
その結論に至った内容は納得できつつもあり、恐ろしくもある。
もし、ジャンヌだけではない、他のロボットたちもその思想に辿り着いたら・・・・

また本書では人口減少をたどった日本の近未来を描いているが、こちらも説得力があり、読ませてくれる。
居住区域と非居住区域に明確にわけ、非居住区域からは完全に社会インフラも何もかも廃棄し、労働力は集中させる。
今のまま突き進んでいったら、こういう未来になることもありえる。
というか、人口減少が抑えられない限りはこうなるしかないのではないか。
そんなことも考えさせられる。

考えさせられることもありつつ、エンターテインメントとしても楽しませてくれる一冊。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

サバイバルに入ってからの相崎の行動がかなり安易すぎる。
まあ、仕方ないかもしれないけれど、食料くらいはもう少し計画的に食べましょう。

 

ジャンヌ Jeanne, the Bystander【電子書籍】[ 河合莞爾 ]

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感想(0件)

ジャンヌ Jeanne, the Bystander

 

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