【作品情報】
作品名:図書館の殺人
著者:青崎 有吾
ページ数:368ページ
ジャンル:ミステリー
出版社:東京創元社
おススメ度 : ★★★★★★★☆☆☆
「鍵の国星」読んでみたい度 : ★★★★★★★★★☆
こういう人におススメ! : 登場人物の魅力なミステリーが好き
裏染天馬の活躍するシリーズ長編第三弾。
今回の現場は図書館。
現場には謎のダイイングメッセージが2種類に、2人分の血痕。
これらが意味するところは? 真犯人はいったい誰?
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前作の「水族館」がかなり難解というか、細かい時間推移で追うのが大変だったのに対し、本作はシンプル。
分かりやすいがゆえに、本格度は上がっている。
現場に残された細かな証拠から、論理を組み立てて犯人に迫っていくのはさすがのところ。
さらに今作ではそれに加えて「ダイイングメッセージ」という小道具も。
ダイイングメッセージなんて、被害者が何を考えていたのかなんて分からないから正解なんてない、それはその通り。
それでも、メッセージの内容というより、メッセージそのものの残され方から推理していくのが本格っぽい。
今回でもまた、登場人物たちはキレキレである。
袴田兄が妹を溺愛するばかりに勘違いする様や、八橋さんの失敗と失態や、鏡華の変態性や、新たに登場した梅頭の残念度とか。読んでいて楽しくなる。事件とは別のところで。
そしてなぜかモテる天馬。
そんな天馬の中学時代に起きた事件というものも、少しだけ輪郭が見えてくる。
忍切との関係はなんなのか。父親との確執の理由は何か。
今後の展開が気になる。有紗と天馬が何気に良い感じだったので、今後も登場してくれると嬉しいのは個人的好み。
謎解きは本格、登場人物の行動や高校生活はラノベ・漫画的。
この辺のバランスはうまくとれているというか、むしろ開き直って書いている感じだろうが、それを読み手も楽しんで読むべき作品である。
犯人の動機が意味不明というか、それで殺すか、というところ。
本格モノはえてしてトリック、謎解き先行で、犯人の心理や動機が理解できないというのはしばしばあることですが。
論理が強引に感じるのはいつものことですが、初期よりは読んでいて納得できる部分も増えたと個人的には感じる。
価格:850円 |