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【ブックレビュー】パイド・パイパー(著:ネビル・シュート)

更新日:

【作品情報】
 作品名:パイド・パイパー
 著者:ネビル・シュート
 ページ数:368
 ジャンル:エンタメ
 出版社:東京創元社

 おススメ度 : ★★★★★★★★★☆
 危機的状況にこそ人の本当の姿が見えると思う度 : ★★★★★★★★★☆
 こういう人におススメ! : 静かな感動を覚えたい人

 

■作品について

時は第二次世界大戦時。
養生のためフランスにいた一人のイギリス人老紳士ハワードは、戦争の激化を知りイギリスに帰ろうとする。
戦火を逃れるため老人の手に預けられた幼い子供達。
厳しくなる一方の状況の中、ただひたすらにイギリスを目指す老人と子供たちの物語。

■良かった点

イギリスの老紳士ハワードが、縁もゆかりもない子供たちを引き連れてフランスからイギリスへと帰る話。
言ってしまえば本当にそれだけ。
それだけなのに、なぜこうも読ませてくれるのだろうか。

自分の孫でも親戚でもない幼い子を託され、ともにイギリスを目指す。
子供だから当然、戦争のことなどわかっていないし、遊びたがるし、歩みは遅いし、我が儘も言う。
だけどそんな子達の手を引いて、紳士たる姿を見せて歩んでいくハワード。
しかも道程を進むごとに、なぜか一緒にイギリスを目指すべく手を引く子供が一人、また一人と増えていく。
その姿はまさに、”パイド・パイパー”(ハーメルンの笛吹の男の名前)

先に進めば進むほど状況は悪化し、困難がハワードを待ち受ける。

  • 子供が熱を出す。
  • 列車が動かない。
  • 戦闘機による襲撃。
  • 大勢いるドイツ兵の目に留まらないようにしなければならない。

 

体力も力もない老人と子供たちにできることなど多くない。
それでも、そんな危機的な状況下においてもハワードは取り乱すこと無く、子供たちに癇癪をぶつけることもなく、毅然とした態度で歩いていく。
もちろん、疲れてぐったりすることもあるが、驚嘆すべき言動としか思えない。

危機的状況下において、これだけの行動、態度を示すことが出来る人が他にどれだけいようか。
特に最終盤、ドイツへに囚われて尋問されるところでの態度。
恐怖しかないと思われるのに、相手に対して一歩も引かない姿。
勇気と理知をもって対するハワードに紳士たる姿を見た。

派手さはない。
でも、静かな感動と、心にじっくりと染みるものを残してくれる名作。
時が過ぎても、色あせない。

■ここが改善できるともっとよかったかも?

昔の作品でも、それを感じさせない面白さ。
是非、読んでみて欲しい。

 

 

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